中国タピオカ店が暴露した「SNSのバズらせ方」!ポイントはパクリ?UGC・PGCって知っていますか?

中国ビジネス情報
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こんにちは!ちゃいなサプリのYuki(@YukiHiroi)です。

中国ビジネス情報誌『销售与市场』第711期に紹介された記事から紹介します。

蜜雪冰城:mì xuě bīng chéngというアイスクリームと飲料を扱っているお店がテーマソングを作ったことで一躍大ブームになりました!

動画版はこちら↓

2021年8月に抖音:dǒu yīnと呼ばれる中国版TikTokでトレンドにこのお店のテーマソングがのったのです。

この曲が作られたのは2019年11月22日でテーマソングとして採用されたのは2020年5月末でした。その後、1年以上が経った2021年8月にバズったわけです。これには広報担当者も当惑しているといいます。

まずはそのテーマソングを聞いてみましょう。

この記事ではこのMVを見てもその成功の秘訣がどこにあるのか見当たらないと言っています。

もう少しくわしく見ていきましょう。

まずこのメロディーはオリジナルではなく、“Oh!Susanna”というアメリカの歌です。
Wkipediaによると

https://ja.wikipedia.org/wiki/おおスザンナ

アメリカで最も有名な歌のようです。さらに、

https://ja.wikipedia.org/wiki/おおスザンナ

日本にはジョン万次郎が伝えたそうですね。
聞いてみましょう。

日本語版もあります↓

この記事で紹介されているのは、中国や香港でもこの歌のカバーが数多く存在しているということです。

これは香港の広東語バージョンですね。

同じく広東語版の童話もあります。

この他にも映画や広東オペラなどでも使用されたり、中華圏では耳慣れたメロディーであることが指摘されています。

カバー曲じゃなくてもバズった?

一躍バズった蜜雪冰城:mì xuě bīng chéngですが、マーケティングを始めてすぐに成功したわけではないと言います。

2020年にネット上に広告を打ったりして、オンライン上でのマーケティングを行いましたが、これは特に効果もなく失敗に終わりました。

それで、マーケティングチームは考えを変えて、オフラインからオンラインへと反対の路線を走ることにしたのです。

会社の広報と外部のコンサル会社が“小苹果”xiǎo píng guǒなど世界的にバズった歌をいくつも分析しました。共通していることは同じ旋律の繰り返しだと言います。聴いている人の頭の中でもそのメロディーは繰り返され、歌われる率も上がるのです。このようにしてバズっていくようです。

ちなみにその歌はこちら↓

みなさん聴いたことありますか?当時中国ではものすごくバズったんですよ。どこの店でもこの歌が流れていて、携帯の着信音もこれ。すごかったですよ。

MVも韓国風ですね。韓国語のアフレコが入れられてます。これは当時大ヒットした「ガンナムスタイル」のパロディーでしょうね。

群集心理の応用

さらにフランスの社会心理学者の古典的名著『群衆心理 (講談社学術文庫)』も分析されていて、その中の〈断言・反復・感染〉が三大伝播手段として挙げられています。

日本語版の該当部分を引用しますね。

指導者たちは、主として、次の三つの手段にたよる。すなわち、断言と反復と感染である。これらの作用は、かなり緩慢ではあるが、その効果には永続性がある。およそ推理や論証をまぬかれた無条件的な断言こそ、群衆の精神にある思想を沁みこませる確実な手段となる。
断言は、証拠や論証を伴わない、簡潔なものであればあるほどますます威力を持つ。

群衆心理 (講談社学術文庫) p160

ちなみにこの本はヒトラーの愛読書だったと言われています。

アマゾンの紹介欄にはこう書かれています。

民主主義が進展し、「群集」が歴史をうごかす時代となった十九世紀末、フランスの社会心理学者ギュスターヴ・ル・ボンは、心理学の視点に立って群集の心理を解明しようと試みた。フランス革命やナポレオンの出現などの史実に基づいて「群集心理」の特徴とその功罪を鋭く分析、付和雷同など未熟な精神に伴う群集の非合理的な行動に警告を発した。今日の社会心理学研究発展への道を開いた古典的名著

https://www.amazon.co.jp/dp/B076BNBC2K/ref=as_sl_pc_qf_sp_asin_til?tag=yukish0bc-22&linkCode=w00&linkId=60838ee0b406e59ae87526600c3bec71&creativeASIN=B076BNBC2K

また日本語名は『群集心理』ですが、中国語版は“乌合之众”(wū hé zhī zhòng)という名前がつけられています。「烏合の衆」という意味です。

興味ある方はぜひチェックしてみてくださいね!

ネット上では攻撃的になる人もいますよね。私も中国の動画サイト「ビリビリ」のアカウントがあるのですが、そこでは誹謗中傷もよくあります。匿名であり、集団であるということが大胆な行動に走らせるのでしょう。
くわしくは→中国のマーケティング失敗例。原産地「日本」を押し出して大反発?「日本」はリスクにもなりうる

時短テク→カバー

蜜雪冰城:mì xuě bīng chéngもマーケティングにおいて、「重複」というキーワードを意識しましたが、以下の2点において他の会社と違う方法を取ったと言います。

1・すでに1万を超える店舗を持っているため、あえて広告を出さず、店舗が広告塔の役割を果たすようにした。また、抖音:dǒu yīn(中国版TikTok)などオンラインをうまく活用することで、広告費の削減にもつながった。

2・耳馴染みのメロディーでテーマソングを作った。これにより、消費者の耳にメロディーが残るまでの期間を通り越すことができた。

※テーマソングで使用された“Oh!Susanna”のメロディーは遊園地のメリーゴーランドや小学校の音楽の教科書などにも採用されていて、中国では誰もが知っている音楽である。

最近の主題歌マーケティングの特徴

最近では蜜雪冰城:mì xuě bīng chéngだけでなく他の企業もヒット曲を使用してマーケティングを行うことが多くなりました。例えば、”熱愛105°C的你“:rè ài yī bǎi líng wǔ dù de nǐというかわいらしい歌がバズりました。

この歌詞の中にミネラルウォーター(歌詞内では蒸留水と表現)があるので、

ワトソンはこの歌を自社のミネラルウォーターのCMに起用しました。

 《2021中国音乐销售发展研究报告》:zhōng guó yīn lè xiāo shòu fā zhǎn yán jiū bào gàoという音楽を使ったマーケティングの研究報告によるとBGM・歌ってみた系・二次創作などがショート動画として拡散されたことがきっかけで数多くの歌がバズったとされています。

例えば、2008年に香港で発表された広東語の楽曲“My Cookie Can”という歌が2021年に中国で歌ってみた系として数多く投稿されてバズりました。

MV

歌ってみたで歌われたもの↓

バズるまでのステップ

バズるまでには一般的に5つのプロセスを経ていると分析されています。くわしく見ていきましょう。

ステップ1:梗:gěng を作る

まず梗:gěng とは、「笑いのオチ」「ネタ」「ツボ」などのことを指します。バズったときに言われる梗:gěng は「バズったポイント」とでも言いましょうか。訳しづらいので以下、そのまま梗:gěng を使いますね。ニュアンスがわかればOKです。

ステップ1ではこの梗:gěng をつくるということ。では何がテーマソングにとっての梗:gěng

になるのでしょうか?2つあると言っています。

①メロディーの洗脳性
②歌詞の重複性

この2つです。この2つがなければバズるのは難しいそうです。そのため、まずこの2点を抑えておく必要があるのですね。

ステップ2:梗:gěng を浸透させる

次にこれを浸透させる必要があります。蜜雪冰城:mì xuě bīng chéngは1万を超す店舗で1年間曲を流し続けました。

2021年5月末にマーケティング部門が一般ユーザーが作成したテーマソングに関連した投稿が10万再生を越えていることに気が付きました。
※一般ユーザーが作成したコンテンツをマーケティング用語でUGC(User Generated Content)と言います。

UGCが10万再生を越えたことで、オンラインマーケティングを再開させるタイミングが来たと判断したそうです。

ステップ3:梗:gěng を拡散させる

その後、有名なインフルエンサーを使ってのマーケティングを行いました。これは中国でよく使われれうKOLマーケティングという方法です。
【マーケティング】中国のマーケティング手法KOLとは?中国ブランドのマーケティング手法を一挙公開

さらに話題性を作るため、外国語版のテーマソングを作成したりもしました。
日本語版もあります↓

他には方言バージョンや京劇、テクノミュージックなどさまざまなバージョンを発表。

このようなプロにより作成されたコンテンツをPGC(Professional Generated Content)といいます。

これらのPGCが増えるに従って、一般ユーザによるUGCも増えていきます。

ステップ4:トレンドをつくる

UGC(一般ユーザーにより作成されたコンテンツ)が増えてきたら、その中でまだあまり人目に触れていないものをお金を使って露出させていきます。

抖音:dǒu yīn(中国版TikTok)にはDOU+という機能があり、これは100元(約1700円)で+5000人の再生数を保証するというものです。

これを使い、埋もれているコンテンツに光を当てていきます。こうすることで、再生数が伸び、トレンドで紹介されるものも出てくるわけです。話題トピックで紹介されたりもして、ユーザーの創作欲を刺激します。

そうすることで認知度も上がり、また関連コンテンツももっと投稿してもらえるようになります。

ステップ5:再生数が増えるのを待つ

ステップ5では特に何もすることはないです。ステップ1〜4で作った仕組みにより右肩上がりに再生数や認知度が高まってくるということです。

あとは熟すために時間が必要というわけですね。

PGCからUGCへ

2020年はPGC(プロのコンテンツ)でマーケティングを行って、効果も上がらずに失敗しました。2021年に方法を変え、UGC(一般ユーザの創作投稿)を増やすよう仕向けました。それが功を奏し成功したわけです。うまいことバズったということですね。

ポイントは二次創作

短期間での再生数や「いいね」の数、コメントの数のように一時的にヒットしただけでは長く続かず、他のコンテンツに興味をもってもらえないのです。キーポイントはユーザーによる二次創作であるといいます。ユーザーが参加できてこそ始めて成功できるのです。

ユーザーの創作意欲が高いこの時代、如何にして、その創作欲を刺激するかがポイントなのです。再生数や「いいね」の数などは嘘がつけるけど、二次創作などユーザーの参加数に嘘はつけないと筆者は言います。

実店舗とネットの相乗効果

オンライン上のマーケティングでバズったわけですが、成功にはオンラインでの戦略も不可欠でした。

一般的に中国の飲食ブランドではSNS上で認知度を高めて、実店舗に来てもらうという仕組みがありますが、蜜雪冰城:mì xuě bīng chéngはその逆をいきました。

つまり、実店舗で知名度を高め、その後SNSが注目されて、それが拡散されるようになったのです。うまく相乗効果を利用することができたのです。

実店舗が知名度を上げたポイントは2つあります。

ポイント店舗数が多い

店舗数は1万店舗以上あります。目にする機会が多いということで認知度も上がりますよね。また利用者もその分多くなります。SNS上で写真などをシェアしてくれればさらに知名度は上がりますね。

ポイント2:とにかく安い

中国のミルクティーなどは一般的に18〜25元(約306〜425円)ですが、蜜雪冰城:mì xuě bīng chéngは6〜9元(約102〜153円)

また人気商品として4元(約68円)のレモネードもあります。

さらに下のソフトクリームはたったの3元(約51円)

薄利多売がリピーターを生む

このように薄利多売路線を走っているわけですが、これが多くのリピーターを生むことに成功したのです。言い換えればターゲット消費者が繰り返し買いに来てくれることで、消費者の生活の一部に入り込むことに成功したわけです。

SNSを駆使

蜜雪冰城:mì xuě bīng chéngではいくつかのSNS上でマーケティングを行っているわけですが、用途や運用により3種類に分けているといいます。

1類アカウント两微一抖一手一书:liǎng wēi yī dǒu yī shǒu yī shūと呼ばれるSNS上で専門家が運営と内容政策を行っています。

ちなみに两微一抖一手一书:liǎng wēi yī dǒu yī shǒu yī shūとは

これらは中国マーケティングでは必須のツールでしたね!覚えていますか?
【中国のWebマーケティング】中国ビジネスでマーケティングに使われるSNSは〇〇!”两微一抖一手一书”(全部で5個あります。)

2類アカウントは、お店の最新情報やニュースなどを発信する保持的なアカウント。メンテナンスは専門家がやっているわけではありません。

3類アカウントはそれぞれのSNS内に登録したオフィシャルなアカウントを指します。オフィシャルアカウントがあることで信用度が高まるのですね。

いくつかあるSNSの中でも抖音:dǒu yīn(中国版TikTok)をメインに運営しています。関連動画の再生数は累計55億を越えています。これは一時のヒットではなく、長い時間かけて再生数を増やしていった運営作戦の成果であると筆者は言っています。

独自の抖音の育て方

蜜雪冰城:mì xuě bīng chéngは2019年に4人のグループで抖音:dǒu yīn(中国版TikTok)の運営をはじめました。

若者をターゲットにしたおもしろイベントが受けてファンは200万人にまで増えました。福袋系のプレゼント企画広告枠を使って好きな人に告白できるというユニークなものが話題を呼びました。

このときに増えたファンも今回のバズリの大きな要素であると言っています。抖音は1つ1つの動画が短いのもあるし、視聴者がコメントなどで参加しやすいことが大きいメリットで、またお店のスタッフやファンもみな抖音を使うのが好きだというのが大きなポイントでした。

1万を超す店舗がある蜜雪冰城:mì xuě bīng chéngはスタッフも合わせて10万以上います。その人たちが日常的に抖音を使っていたからこそ、抖音内で宣伝するのもスムーズでした。抖音の使い方などを知らない人が多かったなら、その教育に費用もかかり、時間もかかるためスムーズにはいきませんでした。

そう!中国ビジネスの流れをつくるのは若者でしたね!
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このようにバズるのも作戦ありきということがわかりますね。一時ヒットしただけではマーケティングとしては成功といえないと筆者は言っています。今回は、この情報誌でバズった理由を分析して公表していたので、取り上げたわけですが、ぜひ参考にしてバズってください!

最後までご覧くださりありがとうございました!

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