コラム

中国で警察沙汰に!はじめて乗る中国のパトカーとその後…

中国で警察沙汰に!はじめて乗る中国のパトカーとその後…

妻の実家(中国浙江省寧波市の田舎)でのこと…。

土曜日の午後2時ごろ、一人でcocoを散歩させていました。

いつものルートで、河があり、その向かい側に大柄の男性が柵に手をかけ、川を眺めていました。

そんな人はいつもはいないので、怪訝に思ったのですが、あまり見ないようにして…。
しかし、ずっと視線を感じます。

気のせいかと思い、チラッとみると、確かにこっちを見ているような…。

戻る時に、川の向かい側、つまりはその男の前を通ることにしたのが失敗だったかもしれません。

前を通る時も、やはり見てる!

気にしないようにして歩き出しましたが、後ろをついて来ます。
しばらく歩いて、細い路地に入れば、通り過ぎるだろうと、細い路地へ。

すると男もついてきます!

cocoが止まったので、僕も足を止めると、すぐそばで彼も止まる。

勇気を出して“你先走。”(「先行って」)

男は無視。

監視カメラに映った犯人

道を引き返すと、男もついて来て明らかに尾行しているのがわかりました。

“你干嘛呀?”(「なんですか?」)
聞いても男は見つめてくるだけ。

撒こうとしても、かなりのスピードでついてくる。

“我报警啊!”(「通報するぞ!」)
“报啊!”(「通報しろ。」)

しかし、僕はスマホも持ってなく…。
Simカードが日本のものなので、電話できず、さらにWeChatも番号認証ができないためログインできない状態になっていて、どこにも連絡できません。

どこかの店に入ろうにも、田舎で、大きな店もなく、小さな店のおっちゃんが助けてくれるとも限らず…。

しまいには身体が密着するくらいまでの距離に来ました。

立ち止まると、身体でどついてきました。
cocoがわんわん吠えると、「しっ!」と言い蹴りそうになったので、すかさず抱えました。

ここで暴力沙汰にでもなれば、ボクも逮捕されることになり、大変なことになるだろうと、パニくる中、解決策を考えました。

ポケットに手を入れていたので、凶器があるのか、疑い、これはやばいと、睨み合う一触即発の状態を避け…。

こうなったら家に帰って、通報しようと決心しました。
家がバレるのはマズいかと思いましたが、他に行けそうな場所もなく、かといって暗い路地ではさらに危険になるような予感がして。

近所の人が提供してくれた監視カメラはこちら↓↓

すぐに家に入り、妻も慌てて、外を見ると男はまだ立っています。

家を舐めるように見渡してるのが見えます。

妻がすかさず男の写真をパシャっ

犯人の顔

モザイクを入れてありますが、カメラ目線です笑

写真を撮った後、すぐ通報しました。

警察到着

数分後に、バイクに乗った二人の男性が登場。

パニクっていたため、支離滅裂な感じの説明になってしまいましたが、家の前にいたときの男の写真を見たら、怪しいと判断したようでした。

外国人なら事を重く見てくれるのではないかと思い、ボクは外国人ですアピール笑

なぜ中国語が話せるんだとか別のことに興味を持ち始めて、頼りなさそうな時に、パトカー(以下の写真のような)が登場。

ではさっきの二人は誰なんだ?

近所の野次馬もぞろぞろ。

ものすごく気まずい感じのところに、長身で背筋をピンと張って、こちらを凝視しながら歩いてくる警察。

かなりの威圧感…。

パトカーからは3人の警官が下りて来ました。

警察は目の前に来て険しい顔で見つめて来ます。
まだ若く、30代くらいの男性。

先ほどの二人の男性が、「しゃぽにん」(日本人)と方言で伝えると、
表情が少し変わりました。

一部始終がわかると、じゃあ署の方で記録をつけると。

パトカーで一緒に行くか、自分たちで来るか聞かれ、

ボクは妻に日本語で、「一緒に行こう。」というと、

その警察も日本語で「一緒に行こう。」と言い、ちょっとびっくりしました笑

「準備してきます。」とわざと日本語で警察のお兄さんに言うと、OKとジェスチャー。
他の警官たちも「おーっ」という感じで、お兄さんのメンツを保ちました笑

人生初のパトカー

近所の野次馬のおじちゃんおばちゃんたちの注目を浴びながら、パトカーへ。

中国によくあるボロ目のボックスカーという感じでした。

署の前で左折する時、普段車はあまり譲ったりしてくれませんが、パトカーは、どうどうとビュンビュン行き交う車道に、他の車はすかさず停車して、譲ります笑

署に到着。

署で話を聞く。

日本語ができるお兄さんもいて、すこし話すと、大学で勉強したとのこと。

日本を嫌悪している人ではないというだけで安心しました。

これなら無下に扱われないだろうと、かなりホッとしましたね。

お義母さん登場

そこへ、連絡を受けたお義母さんが登場。

方言で警察の人たちと話しています。

写真を見て、
“这是神经病吧!脑子有问题的吧!”(「これ精神異常者でしょ!きっと頭おかしい人だよ!」)

警察もそうだろうと同意していました。

そして、そうなら逮捕できないなぁと。

お母さんは「どこの人なの?(どこの地域)」と聞きましたが、警察もまだわからないとのこと。

あとは僕に話したのが“普通话”(中国の標準語。方言がわからない外地の人たちはこの地域で標準語を使う。)だったため、外地の人間ではないかという話になりました。

防犯カメラ確認へ

別の部屋に移り、顔を照合していきます。

その時間に関しカメラが拾った顔がUPされていきます。

かなりたくさん、しかも電動バイクに乗っている人まで、はっきり顔が映し出されています。

僕もはっきり映っていました。

しかし、そこに男の顔は映っていませんでした。

監視カメラの映像のチェックに入ります。

そこには僕がcocoを散歩させてる映像がありましたが、ほんの数秒。

男はこの向かい側にいたとわかったのですが、そこにはカメラが設置されてないとのこと。

中国は死角がないくらいだと聞いていたので、意外でした。
地図にはカメラが設置されている箇所が表示されています。

しかし、後をつけられた時に歩いた道もカメラがない!

照合している警察は、本当に尾行されたのか疑い始めました。

もうどうしょうもないのかと思っていた時に、「T」字路の「l」の一本はカメラがあることを発見。
僕が歩いたのは「T」字路の「」の道、なので通り過ぎるところが映っているのではないかと調べ始めます。

妻が男の写真を撮った時刻から数分さかのぼって調べ始めます。

田舎なので、人通りもかなり少なく、大抵は電動スクーターに乗っているので歩いていて、さらに犬を連れている僕は目立ちました。

そのすぐ後を男がついてくるのが映っています。

そして立ち止まり、睨み合いが続いている瞬間も男の身体半分が映っていました。

男の顔照合へ

警察はその後、男の身元を特定するとのことで、僕と妻は待合室で待つことになりました。

その間、僕の身元の照合もします。

日本語ができるお兄さんがいたので、「日本人はほかにもいますか?」と簡単に聞くと、
ちょっと考えて、「君だけ。」と。

お兄さんも日本人と会ったのも日本語を使ったのも初めてのようで嬉しそうでした。

お兄さんが理解できるように、簡単で知っているであろう表現だけを使ったので、お兄さんもご満悦笑
数年間日本語を教えていた経験が役に経ちました。

別の警官が、僕が中国語がわかるか?翻訳は必要か確認します。

中国語は書けるか聞かれたので、書くのは怪しいと笑

すると警官が文書を書いてくれました。

その文書を僕に確認させ、そこにサインします。

タブレットに文書は写し出され、そこをタップすると無効になるので、手を触れず、内容だけ確認するようにいわれました。

男が特定された!

10分くらいすると、他の警官たちが下りてきました。

“原来真是个神经病啊。”(「やっぱ精神に異常がある人だったよ。」)

訳はオブラートに包んで書いてますが、ちょっと放送禁止用語みたいな感じの描写でした笑

そして、精神異常者は逮捕できないとのこと。

代わりに両親に警告しておくと。

「次また同じように付きまとわれたらどうすればいいですか?」と聞くと、
「う〜ん、もし家に入って来たり、家を壊されたり、何かされたら病院送りにできるけど、そうじゃなきゃこっちの法律では何もできない。もし、危害を加えられるようなことがあればまた通報して。」

お母さんも、「やっぱおかしい人か〜」と笑っていましたが、

「この人はどこの人?」という問いに警察が男の住所を言うと、

それが家から目と鼻の先であることで、お母さんから笑顔が消えました…。

残る不安

「頭おかしい人だから大丈夫」という結論には安心できませんでした。

逆に何するかわからないから怖いと思うのは間違いなのでしょうか?

お義母さんはホームヘルパーの仕事をしているのですが、

ひとつの訪問先のお兄さんの家に同行したことがあります。

40代のお兄さんは、手足不自由、身動きが取れません。

理由は、10年前に自宅に強盗が入り、ナイフで滅多刺しにされ、
彼の兄と両親、弟が亡くなり、彼だけが生き残ったが、ナイフで刺されて手足不自由に、頭をレンガで叩かれ脳に影響されたのです。

中国に14年以上住んでいて、いろいろなサプライズがありましたが、14年目にして新たなサプライズが生まれるとは…。

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