中国語を学んでいると、計画を立ててどんどん先に進みたくなることがあります。
「今日はP10〜15まで。明日はP10〜15の復習と…」というように。
しかし、その計画通りに進んでも実際に使える力が身についていないことはありませんか?
試験ではある程度の点数が取れても、実際に会話になると簡単な受け答えすらできないという学習者も少なくないですね。
これこそが、多くの学習者が陥る「量と速さの罠」です。
実はこの問題、学習法を少し変えるだけで一気に解決できます。
動画でも先に進めるのではなく、深さを意識する勉強法を紹介しています。
ぜひあわせてご覧ください。
先に進んでも「使えない」理由
外国語学習では、テキストを終えること自体が目的化してしまいがちです。
進んだページ数や終わった課の数は、確かに目に見える成果です。
しかし、それが実際の運用能力=話す・書く・聞く・読む力につながるとは限りません。
ボクが韓国語を学んだ時、
初級・中級テキストを何周もやり、中級レベルはあるだろうと思って韓国に短期留学しました。
ところがクラス分けテストで、面接では何を言っているかわからないことが結構あり、また答えられないことも多かったです。
作文も、時間内に終わりませんでしたし、いざ書いて見ると、文法が定かでないことが明らかになりました。
結果は、初級レベル…自己紹介の次のレベル。つまり、習い始めくらいのレベルということですね。
テキストを何周しようと、単語帳で単語を暗記しようと、使えるようになるわけではないということがはっきりわかりました。
現実を叩きつけられた気分でしたね…。当時はかなりショックでしたよ笑
本当の成長は「下方向」に進む
学習の進度を「道を前進する」ように捉えるのが一般的ですよね。
しかし実際の成長は、木が根を伸ばすように下へ深く進むことだと思います。
今日は何ページ進んだ。
→これは表面上は進んだように見えますが、
実際は、何も習得できていないことが多いです。
時間が経てば忘れますしね。
- 表面上は変化がなくても、見えないところで根が張られている
- 根がしっかりすれば、必要な時に一気に成長できる
植物の種を植えた時も同じですね。芽は出ても、そこから表面上の変化がなく成長が止まって見えることがあります。
しかし土を掘ってみると、下では根がびっしりと広がっている。
言語も同じで、この「根の期間」がなければ応用力は育ちません。
根がしっかりしていれば、ドラマや映画を見ても、文章を読んでも、語彙がしっかり増えていきますし、表現力や語感も磨かれていきます。
「深さ」を作るための学習法
では具体的にどうすればいいのか。
答えはシンプルで、「量」ではなく「深さ」に注目することです。
- 単語は漢字1つ1つをチェック
- 例:単語は漢字1つ1つに分解して、漢字の成り立ちや背景から単語の全体像をつかむ
- 繰り返しの回数を増やす
- 同じ部分を何度も繰り返す
- 目に見える進捗に惑わされない
- カレンダーやチェックリストは達成感をくれるが、それが実力に直結するとは限らない
- 条件が整うまで備える
- 会話の機会や興味のある題材が現れた時に、吸収できる「根」を育てておく
目に見えるものはまやかしであることが多いですね。
「何ページやったか」
「何個覚えたか」
これらは意味がないことが多いです。
成果は条件がそろった時に一気に現れる
根がしっかりしていれば、以下のような機会で一気に伸びます。
- 中国語で話す友人や職場環境ができた時
- 好きなドラマや映画を理解したくなった時
- 出張や留学などで現地に行く機会ができた時
この時に「根」がないと、せっかくのチャンスを活かせません。
逆に根が深ければ、短期間でも一気に話せる・書けるようになります。
- 1つの文章や動画を、完全に理解できるまで何度も繰り返す
- スラスラ言えるまで音読する
- 「知っている」から「使える」に変わったかを常に確認する
これらを日々の学習の習慣として取り入れると、「根」はどんどん伸びていきます。
まとめ:深さを育てて使える中国語に
つい「量」や「進捗の速さ」にばかり気を取られ、実際に使える力が伴っていないことが中国語学習でつまずく原因になります。
試験の点数やテキストの進み具合が必ずしも「使える」こととイコールではないのは、多くの学習者が経験する現実です。
どんなに参考書を進めても、単語帳を何周も回しても、“听不懂”“看不懂”から抜け出せない人が大半です。
本当の成長は、植物の根のように「下方向=深さ」に進むことで実現します。
毎日、中国語の動画を見たり、文章を読んでみたり、中国語でチャットしたり、
表面上は進んでいなくても、見えないところでしっかり根が張られているのです。
その根っこが育てば、暗記をしなくても、語彙も増えていきますし、文法構造を理解できる語感ができていきます。
焦らずに、量よりも「深さ」を意識した学習法を続けることが、使える中国語への最短ルートです。
ぜひ今日から、目に見える進度を追うのをやめましょう。
正しい方向に向かっていれば、あなたが目指す「使える中国語」が必ず待っています。