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中国語学習でやってはいけない「一対一暗記」― 王力が説いた“語の社会性”とは

中国語学習における一対一暗記の限界を示すイメージ。王力の語の社会性を象徴する図。

中国の言語学者、王力:wáng lì博士は、単語には社会性の原則があると言います。

中国の言語学者、王力:wáng lì博士
王力

どういうことでしょうか?

単語は単独で意味を持つのではなく、社会の中での使われ方によって意味が形成される」ということです。

秦の時代の文章を読むなら、語彙を当時の意味で解釈する必要があると言います。

ボクたちが中国語を勉強する時もそうです。
単語によって、中国と日本で指すものが違います。

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中国語と日本語で指すものの違い

例えば、餃子といっても日本では焼き餃子をイメージしますが、中国では水餃子を指すことが一般的です。水餃子といってもスープがないのがほとんどです。

以下が「餃子」でGoogle検索したもの(左)と百度検索したもの(右)です。

茶といっても、中国では茶色系のお茶を思い浮かべます。

パンやラーメンなどの食べ物も実物が違います。

日本ではお風呂に入るのが一般的でも中国ではその習慣はありません。浴室も中国ではユニットが一般的です。SNSも日本で使われるものは中国では使えません。

「回家」(家に帰る)と聞くと、日本人は帰宅することを思い浮かべますが、中国では田舎の実家に帰省する時もこう表現します。

単語帳で暗記しても理解につながらない

つまり、単語は辞書の中に閉じ込められた「意味のかたまり」ではなく、社会や文化の中で生きている存在です。
国や地域、時代や生活習慣が違えば、同じ言葉でも指すものがまったく異なります。

だからこそ、単語帳で「日本語=中国語」と一対一で暗記しても、実際の理解にはつながりません。
本当の意味をつかむには、その言葉がどんな社会で、どんな場面で使われているかを感じ取ることが大切です。

王力のいう「語の社会性」とは、まさにこの「言葉と社会の切っても切れない関係」を忘れないことなのです。

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