漢字「的」は、中国語学習者が最も頻繁に出会う文字の一つです。
「〜の」を表す文法機能だけでなく、「目標」「確かに」といった多彩な意味を持ち、さらに「的确」「目的」といった熟語でも重要な役割を果たします。
しかし、その成り立ちや本来の意味を意識せずに暗記してしまうと、用法の広がりが整理しづらく混乱しがちです。
そこで今回は、動画と記事の両方で「的」の正体を深掘りしました。
動画でサクッと理解したい方はこちらもどうぞ
この記事では、「的」の字源・構造・意味の発展をさらに丁寧に解説し、効率的に覚えるためのイメージと学習ヒントを紹介します。
漢字の概要と基本情報
- 漢字:的(元の字は旳(dí))
- ピンイン:dì / de
- 部首:白
- 画数:8画
漢字「的」の成り立ちと字源の深掘り

「白」(bái)光や明るさ・はっきりしたもの(標的として目立つもの)
「勺」(sháo)標的の中心や受ける器の形
→矢を射るための標的
元の字は旳(dí)で、白が持つ『はっきり見える・明るい』性質を表しました。
そのため、後に「的」となっていったのです。
→ そこから「矢の的」のように目標として目立つもの・はっきりしたもの」という意味につながりました。
「的」の意味と用法の発展過程
原義「標的」から目標や目的の象徴として使われるようになり、
「はっきりする」という「白」のイメージが、物や事柄の特定・明確化に繋がりました。
そして「漂亮的花」のように「的」が「明確に花を特定する」というイメージで名詞修飾に発展したわけです。
根底には「対象を特定する・はっきり示す」という意味で共通しているのですね。

形容詞や動詞の後に「的」を置くと、その動作や性質を名詞化できます。
- 例:学习的(学んだこと、学習内容)
- 例:美丽的(美しさ)
この働きも、原義の「はっきり目立つ標的」というイメージから、「動作や性質を一つの対象として明確にする」という意味に派生したものです。
代表的な熟語一覧(ピンイン・意味付き)
我的(wǒ de)→私の
红的(hóng de)→赤い
目的(mù dì)→目的
的确(dí què)→確かに、間違いなく
効率的な覚え方と学習ヒント
白+勺を含む「的」は、『はっきり目立つ標的』というイメージ。
「目立つ=特定の対象をはっきり指す」という意味の流れを意識すると覚えやすいです。
原義の「矢の的・目標」から、名詞修飾「〜の」、さらに固定副詞的表現「的确=確かに」までをつなげてイメージすると、自然に意味が整理できます。
- 字形イメージ:白+勺=はっきり目立つ矢の的
- 意味のイメージ:目立つ標的 → 特定・明確化 → 名詞修飾・副詞修飾
- 使い方のイメージ:漂亮的花(美しい花)、必然的结果(必然の結果)、的确有道理(確かに道理がある)
こうしておくと、名詞修飾の「的」と、副詞化した「地/的确」の用法もセットで理解しやすくなります。
関連学習リソースと参考リンク
- 内部リンク(漢字のたね:白/勺)
- 外部リンク(漢典 zdic.net)
- 参考文献(說文解字,王力古漢語字典,中华字典,古代汉语词典,现代汉语词典)
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