ながらく噂されていた新HSKの開催が決定しました!
HSK7級・8級・9級が新たに加わります。
試験実施は2022年11月26日でした。ボクも申し込みしたので、
そのときの様子もあわせてご紹介します。
(結果コロナ蔓延により中止に。)
日本でも2023年に開催されることが決定しました。
→公式サイトより
日時:11/12(日)
13:00~17:00
会場:東京都23区内
受験料:37,400円(税込)
申込締切:10/20(金)
定員:30名
※下の目次からも記事に飛べます↓↓
HSK7ー9級のレベルと対象者
HSK7ー9級のレベルは以下のように公式サイトでは定義しています。
共通項として【良好なリスニング・スピーキング・リーディング・ライティング能力を備えている。】と書かれています。
それ以外は各級ごとで以下のように記されています。
HSK7級
初歩的な専門的翻訳・通訳スキルがある。
ある程度ひろく、ハイレベルなトピックでのコミュニケーションを中国語の基本ルールにのっとって、流暢でその場にふさわしくとることができる。
HSK8級
基本的な専門的翻訳・通訳スキルがある。
深い内容であったり専門的な各種トピックにおいて、ある程度、規範的・流暢・妥当にコミュニケーションがとれる。
HSK9級
プロ級の翻訳・通訳スキルがある。
各種の総合的運用スキルを用いて、それぞれの状況下で規範的・流暢・妥当にコミュニケーションがとれる。
このように書かれています。
では試験の対象となる例をみてみましょう。
試験の対象者
対象者:中国語が第二外国語として高いスキルをもっている学習者。とされています。
具体的には、
・中国で大学院または博士課程で勉強している学生
・各国の中国語専攻の学生
・中国語で学術研究に従事しているひと
・経済や文化、テクノロジー交流に従事しているひとなど
と書かれています。
もちろんこれはあくまで目安ですので、上の例にあてはまらないひとも受検することが可能です。
動画でも解説しています↓↓
出題内容と試験時間
出題は【リスニング・読解・作文・翻訳&通訳・スピーキング】です。
いままでのHSKに翻訳&通訳・スピーキングの部分が新しく加わりました。
ではひとつひとつくわしく見てみましょう。
リスニング
内容:ニュース・ビジネス交渉・弁論・インタビュー・演説・講座・ドキュメンタリー・会議など
大問1:正誤判断(計10問)
大問2:選択問題・穴埋め問題(計12問)
大問3:選択問題・穴埋め問題(計18問)
合計40問あり、試験時間は30分です。
読解
内容:ニュース・科学系文章・調査報告・学術文献・中華文化・中国概況など
大問1:選択問題(計28問)
大問2:並び替え問題(計5問)
大問3:短い記述回答(計14問)
合計47問あり、試験時間は60分です。
作文
内容:描写・図表の分析・トピックに対する自己の見解や論証
大問1:図表作文(計1問)
大問2:トピック作文(計1問)
合計2問あり、試験時間は55分です。
翻訳&通訳
内容:説明文・記述文・論説文などの異なるジャンルの文章を中国語に翻訳・通訳する。
(用意される外国語は英語・ベトナム語・タイ語・日本語・韓国語の5種類。)
大問1:翻訳(計2問)
大問2:通訳(計2問)
合計4問あり、試験時間は41分です。
※翻訳言語は申込みの際に選択するように書いてあったのですが、ボクが申し込むときには選択欄がありませんでした。
記載されていたメールに問い合わせたのですが、返信なし…。
スピーキング
内容:実用文・記述文・論説文などの引用や自己の見解を発表
大問1:音読?もしくは読解してそれを説明するのか?(应用读说)(計1問)
大問2:文章材料をもとに問に回答する(計3問)
大問3:自己の観点を述べる(計1問)
合計5問あり、試験時間は約24分です。
(※このセクションだけ試験時間に「約」がつけられている。おそらく大問1と大問3で話すスピードなどから生じる時間差を考慮したものだと思われる。)
このように5つのセクション【リスニング・読解・作文・翻訳&通訳・スピーキング】にわかれていて、合計98問の出題で、試験時間は約210分です。
実施時間
試験は午前と午後の部にわかれています。
(※時間は現地時間)
【午前の部】
・リスニング 9:00-9:30
・読解 9:30-10:30
〜10分休憩〜
・作文 10:40-11:35
・翻訳 11:35-12:10
【午後の部】
・通訳とスピーキング 14:00-14:30
通訳&翻訳の部分が切り離されていますね。
通訳部分がスピーキングといっしょに午後にまわされています。
しかしスピーキングの試験時間は約24分で翻訳と通訳は41分と書いてあるのに、試験実施時間は14:00-14:30の30分しかありませんね…。
実施方法
試験はいまのところ在宅受検と会場ネット受検が選択できます。
会場での筆記試験はありません。
では具体的にどのように受検するかみてみましょう。
在宅受検
在宅受検は文字通り、家でPCを通して試験を受けるというものです。
監視も徹底していて、右後ろと左後ろ約1mの位置に試験で使用しないスマホやPC・タブレットなどを設置し、試験監督がチェックできるようにする必要があります。
ネット速度も150キロバイト/秒以上という条件もあります。
試験の1時間前に試験監督がカメラを通じて部屋全体を360°チェックします。
本人以外は部屋にいることは禁止で、机にも試験以外のものをおくことは禁止なのでこれらをチェックします。
使用できるPC
使用できるPCではWindows(7/10)だけです。
Macは使用できないと明記してあります。
そして操作はGoogle chromeでおこなうと書いてありますね。
画質は1440×900px以上を推薦していて、1366×768px以下はダメです。
カメラも必要で、内部カメラまたは外付けカメラのどちらの場合も30万画素以上であることが条件です。
スマホやタブレット等での受検はできません。条件にあうPCのみです。
会場ネット受検
まだ情報はすくないのですが、会場ネット受検は中国国内だけで実施されるようです。
ボクが申し込むときは選択欄に「在宅受検」がなく、しかたなく会場を選びました。
(在宅受検の選択項がない旨を記載されていた連絡先に問い合わせたのですが、返信はありませんでした…。)
申し込み方法&費用
HSK7ー9級の試験が実施されることは中国のHSK公式サイトにも発表していませんでした。
公式サイトでは以下のようにHSK7−9級の欄もnull(何もない)と出ます。
WeChatの公众号:gōng zhòng hào(WeChat上のメルマガのような機能)で告知があっただけです。
日本の公式サイトからは申込みできないようです。
公式サイトのHSK申込みにすすむと、HSK7−9級の項目がありました。
注意点は、GoogleChromeを使用しないと以下のようにエラーが出ることです。
費用
費用は1075元(約2万1,500円)でした。
一般的なHSKは500元(約1万円)でしたので、その倍ということになりますね。
HSKとHSKKの費用が含まれていると書いてありました。
コロナによる受検中止会場も相次ぐ
中国では試験実施日(2022年11月26日)近くに各地でコロナのクラスターが再発し、試験を中止する会場が出ました。
(くわしい会場数は未公表)
ボクの会場も実施ができないとの連絡がありました。
次回はいつ実施されるのかは「未定」だそうです…。
HSK9級対策
試験の具体的な出題形式や過去問はないため、わかっている限りの情報から試験に関係しそうなことをやりました。
そして聞くもの読むもの観るものをすべて中国語のものにしましたね。
映画をみるにしてもポッドキャストを聞くにしても本を読むにしても、中国語のものだけにしぼります。
勉强ルーティンの動画もあります↓↓
具体的にそれぞれの対策をひとつずつ紹介していきますね。
読解
読解はとにかくたくさん読むことに尽きますね。いわゆる多読です。
これは中国語のすべてのスキルの基礎となるものですので、最優先でやったほうがいいとおもいます。
>>【初心者向け】中国語多読のやり方をプロ通訳が解説
内容はニュース・科学系文章・調査報告・学術文献・中華文化・中国概況などとあるので、関連するものをピックアップします。
ニュース系は人民日報や新華社通信、さらに科学系の文章も出るようなので中国科学院の公式サイトや科学記事をまとめたサイトもがめていましたね。
また調査報告・学術文献・中華文化・中国概況などはこのままググって(または百度って)出てきた文章を読むという感じでした。
リスニング
リスニングの対策としては、聴くものをすべて中国語にします。
ボクはテレビは見ないので、いつも聞いているPodcastを中国語のチャンネルだけにしました。
おもに聞いていたのはこんな感じです。
「一席」は中国版TEDという感じで、いろいろなトピックがありおすすめです。
また“读者”(読者)は短い文章を寄せ集めた雑誌ですね。それを朗読してくれます。
この雑誌は感動するはなしやじぶんが経験したことなど興味深い文章が投稿されていて、ボクも中国語を勉强しはじめたときはずっと読んでいました。
翻訳・通訳・スピーキング・作文
〈記述文・論説文・説明文〉が出題されるとあったので、その文章を話したり書いたりするには、おなじスタイルの良質な文章を読めばいい対策になると判断しました。
そして以下の3冊を買いました。
中学生の作文です。高校受験の作文で、満点のものや優秀なものが集められています。
中学生が書いたものだとおもってあなどってはいけません。優秀な中学生のレベル以上のものを話したり書いたりするのはかなり困難です。
すくなくともボクにはできません。
1000編あると書いてありますね。ホントに1000編あるのかわかりませんが、かなりの量ありました。
スピーキングでは実用文も出題されるとあったので、以下の本も購入。
まず実用文がどんなものかもわからなかったのですが、公的文書みたいな感じでしたね。
契約書や政府機関の公的な報告や指示など読んでいてまったくおもしろくなかったので、半分しか読んでいません。(ただ眺めただけですが…。)
スピーキングやリスニングで重要な訓練も欠かしていません。
それはシャドーイングです。こんな感じで1〜2時間毎朝やってました。
シャドーイングは中国語の発音の矯正や中国語の筋肉を鍛えるのにうってつけの訓練方法で、通訳が取り入れる代表的なものです。
スピーキングやリスニングだけでなく語彙力も読解力も大幅にUPする優れた訓練方法ですのでおすすめです。
>>【完全版】中国語レベルがバク上がりする「シャドーイング」とは?プロ通訳も実践する方法!
また作文や翻訳ではピンインでのタイピングが必要になるので、できないひとは練習必須です!
実際の出題
実際にHSK7−9級に参加された
えむむんさん(@emumun_tw)がブログで詳細を公表してくれています。
模擬試験にも参加されたえむむんさんの記事では
実際の試験の内容や体験したひとでないとわからない感想もくわしく載せられています。
試験準備で参考になるのはやはり実際に受験したひとのおはなしですね。
HSK7−9級の受験を考えているひとは必見です!
試験の語彙数も以下のように定められているそうです。
HSK1級 150語
えむむんさんのブログ『中国情報まとめ』より
HSK2級 300語
HSK3級 600語
HSK4級 1,200語
HSK5級 2,500語
HSK6級 5,000語
HSK7-9級 11,092語
実際に受検された方の情報は貴重です。
みなさんもぜひえむむんさんの記事を参考にしてみてくださいね。
ちなみに、ボクにHSK7-9級が開催されるとの情報をくださったのもえむむんさんです。
えむむんさんに教えていただけなければ、いまだに新しいHSKの情報は入っていなかったと思います。
ホントにありがとうございました!感謝感謝です^^
まとめ
HSK7−9級は2022年11月26日に試験的に実施されました。
出題は【リスニング・読解・作文・翻訳&通訳・スピーキング】で、
いままでのHSKに翻訳&通訳・スピーキングの部分が新しく加わった形です。
正式におこなわれるときは多少の修正が加えられてる可能性がありますが、次回の開催は未定とのことです。
今後情報が入り次第、ここにUPしていきます。
ありがとうございました。
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