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“尴尬”とは?「恥ずかしい・気まずい」の違いと中国語での正しい使い方

「尴尬」の中国語表現を解説する記事のアイキャッチ画像。気まずい・恥ずかしいの違いを学ぶ。

中国語を学んでいると、日本語と似ているようで少し違う「感情表現」に出会うことがあります。その中でも特に混同しやすいのが、「恥ずかしい」「気まずい」といった感情をどう表現するか。

今回のキーワード「尴尬(gān gà)」も、その代表的なひとつです。

日本語で「恥ずかしい人」「部屋が汚くて恥ずかしい」と言う感覚で、「尴尬」を使ってしまうと、実はネイティブには不自然に聞こえてしまうことがあります。では、「尴尬」はどんな場面で使うのが自然なのでしょうか?そして、よくある誤用とは?

この記事では、「尴尬」の本来の意味とニュアンス、正しい使い方、学習者が間違えやすい例文とその言い換えまで、丁寧に解説していきます。中国語らしい感情の捉え方を学び、より自然で伝わる表現を身につけましょう。

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「尴尬」とは?意味と基本の解説

「尴尬」は、思わぬ失言や気まずい状況、あるいは板挟みのような困難な立場に置かれて、どう対応してよいか分からない状態や、その場の居心地の悪さを表します。

 心理的な「バツの悪さ」だけでなく、「処理しにくい状況」自体も含むのが特徴です。

品詞:形容詞
日本語訳例:「気まずい」「バツが悪い」「困った」「場がしらける」
繁体字は「尷尬」(簡体字と同じ表記)


「尴尬」と「害羞」「不好意思」の違いとは?ニュアンスと使い分け方

単語意味主な使われ方
尴尬気まずい・困る状況や場の空気が悪いとき
不好意思照れ・遠慮・軽い謝罪軽い謝り・配慮・照れの感情
害羞内向的な恥ずかしさ性格的な照れ、人見知りなど

「尴尬」の例文3選|日常会話で自然に使える中国語フレーズ

【例文1】

觉得很尴尬,不知道说什么好。
Tā juéde hěn gāngà, bù zhīdào shuō shénme hǎo.
(彼は気まずくて、何を言っていいかわからなかった。)

「尴尬(gāngà)」は「気まずい」や「ばつが悪い」といった感情を表す言葉で、日常生活の中で誰かと会話している時に、場の空気が悪くなったり、言葉に詰まったりした時に使います。

例えば、初対面で緊張してしまった時や、思わず失礼なことを言ってしまい、場が気まずくなるといった状況にぴったりの表現です。

後半の「不知道说什么好」は、「何を言ったらいいかわからない」というニュアンスで、ここでの「说什么好」は、言葉に詰まってどう表現すればいいのか迷っている状態を表現しています。

全体としては「彼はとても気まずくなってしまい、どう言葉を返せばいいのかわからなかった」という感情や状況を表しています。友達や仕事の場面で、失敗や失言で気まずくなった時によく使われる言い回しですね。

日常会話で「尴尬」という言葉はとてもよく使われるため、この表現を覚えておくと、中国語での感情表現が豊かになります。また、「不知道说什么好」の部分は、言葉に詰まる時の典型的な表現なので、相手に戸惑いや困惑を伝えたいときに役立つフレーズです。

【例文2】

这件事我很尴尬。
Zhè jiàn shì ràng wǒ hěn gāngà.
(このことは私をとても困らせる/気まずくさせる。)

ここでの「这件事」は「この出来事」「この件」といった意味で、何か特定の出来事や状況を指します。そして「让我很尴尬」は「私をとても気まずくさせた」という構造で、「」は使役を表す動詞で、「〜に〜させる」という意味になります。

このように「尴尬」という単語は、ただの恥ずかしさや困惑とは少し違い、「どう振る舞っていいか分からないような気まずさ」や「場の空気が悪くなるような困った感じ」を含んでいます。たとえば、相手が場違いな話を持ち出した時、自分の失言で静まり返ってしまった時、あるいは周囲が気を使って口を閉ざすような状況になった時など、「尴尬」を使うとしっくりきます。

【例文3】

在朋友面前说错话,觉得很尴尬。
Zài péngyǒu miànqián shuō cuò huà, ràng wǒ juéde hěn gāngà.
(友達の前で失礼なことを言ってしまい、とても気まずかった。)

「在〜面前」は「〜の前で」、「说错话」は一般的に文字通りの「言い間違える」と「失礼な発言をする」「言うべきでないことを言う」のどちらの意味も使えますが、「让人觉得尴尬」と続くので、単なる言い間違いより「失礼な発言」「言ってはいけないことを言った」ニュアンスのほうが自然に感じられます。

友達の前で失礼なことを言った、場違いなことを言ってしまったため、気まずい思いをしたという解釈がしっくりきますね。

後半の「让我觉得很尴尬」は、「私をとても気まずい気持ちにさせた」という意味になります。「」は使役の動詞で、「〜に〜させる」、「觉得」は「感じる」という意味なので、「觉得〜」という形で「〜に〜だと感じさせる」という文の形ができあがっています。

このように、「说错话」と「尴尬」は組み合わせて使われることが多く、特に対人関係の中でのちょっとしたミスや、気まずい雰囲気を描写するのにとても便利な表現です。実際の会話でも頻出する構文なので、感情をこめた表現を学びたい中級者にとっては、必ず押さえておきたい一文と言えます。

「尴尬」のよくある誤用例と正しい使い方

【誤用1】

他是一个很尴尬的人。


「尴尬」は一時的な状況・場面に使う語で、人の性格を表す言葉ではありません。性格には「害羞」や「内向」などを使うのが自然です。

「尴尬」は、ある出来事や状況によって「気まずい」「ばつが悪い」「居心地が悪い」と感じる状態を指します。したがって、「尴尬な人」と言ってしまうと、「彼自身がいつも気まずい存在だ」といった奇妙な印象を与えてしまいます。これはネイティブには不自然で違和感があります。

もし「恥ずかしがり屋な性格」や「人前に出るのが苦手」といった性質を表したい場合は、以下のような言い回しが自然です。

正しい言い方

他是一个很害羞/内向的人。
(彼はとても恥ずかしがりや/内向的な人だ)

害羞(hàixiū)」は「恥ずかしがる」「照れる」といった性格傾向、「内向(nèixiàng)」は「内向的」「人見知り」など、性格や気質を表す形容詞なので、「〜的人」と組み合わせても自然な表現になります。

つまり、「尴尬」は「どんな人か」ではなく、「どんな状況か・どんな気持ちか」を表す語です。たとえば、「その場の空気が気まずくなった」「発言が的外れで沈黙が流れた」など、一時的な出来事に対して使うのが正しい用法です。

【誤用2】

我的房间很乱,让我觉得很尴尬。

一見すると「気まずい」と言いたい場面に思えますが、この文の使い方には違和感があります。その理由は、「尴尬」という言葉の持つ性質にあります。

「尴尬」は、基本的に他人との関係や、場の空気との“ズレ”によって生まれる気まずさを表す言葉です。たとえば、場違いな発言をしてしまって沈黙が流れた時や、言ってはいけないことをうっかり言ってしまった時の「しまった…!」という空気、あるいは誰かに見られて気まずくなる場面などで使われます。

一方で、この文では「部屋が散らかっていること自体が気まずい」としていますが、それを誰にも見られていない、ただ自分だけが感じている状況で使ってしまうと、「尴尬」は不自然になります。

誰かが部屋に来て、「見られて恥ずかしい」と感じるなら話は別ですが、単に「部屋が散らかっている→尴尬」としてしまうと、ネイティブには違和感があるのです。

正しい言い方

我的房间很乱,有客人来的时候我觉得不好意思。
(部屋が散らかっていて、お客さんが来ると恥ずかしく感じる)

我有点不好意思让你看到我房间这么乱。
(こんなに散らかった部屋を見せるのはちょっと恥ずかしい)

このように、「尴尬」はあくまで**人と人との間で生じる“気まずさ”**を表す語であり、自分の内面的な恥ずかしさや気後れには「不好意思」を使うのが自然です。語の背景にある“感情の流れ”を理解して使い分けられるようになると、中国語の表現力が大きく広がります。

【誤用3】

我考试考得很差,感到很尴尬。

「尴尬」という語が単なる「残念」や「がっかり」といった内面的な気持ちに対しては使えないんですね。

「尴尬」は、前述のとおり、他人との関わりの中で気まずくなったときに使う表現です。つまり、試験の成績が悪かったという結果だけでは「尴尬」にはなりません。成績が悪くても、それを誰にも知られずにいるなら、そこに「気まずさ」は発生していないからです。

一方で、その試験の結果をみんなの前で発表された成績が壁に貼り出された、あるいは先生に指摘されたというように、他人の目に触れたり、他人との関係の中で恥をかいた時にはじめて「尴尬」が成立します。

正しい言い方

考试考很差,成绩贴在墙上大家看到,我觉得很尴尬。
(試験の成績が悪くて、その成績が壁に貼り出されてみんなに見られたので、気まずく感じた)

老师当着全班说我考很差,我尴尬极了。
(先生がクラス全員の前で私の成績が悪いと言ったので、すごく気まずかった)

このように、「尴尬」を使う時には必ず「他人の目線」や「その場の空気」といった対人的な要素が必要です。逆に言えば、他人との関係が伴わない状況で恥ずかしさや悔しさを感じる時には、「难过(つらい)」「失望(がっかり)」「不好意思(恥ずかしい)」などの他の感情語を使う方が適切です。

「尴尬」は人間関係の中での“ズレ”や“沈黙”に敏感な感情を表すので、使いどころを間違えるとニュアンスが大きくずれてしまいます。この感覚を掴めるようになると、中国語の感情表現にぐっと深みが出てきます。

「尴尬」理解度チェックの練習問題

問題:次の文を言い換えましょう。

她不好意思说话。
→「尴尬」を使って言い換えてください。

解答と解説を見る

原文:
她不好意思说话。
(恥ずかしくて話せなかった)

言い換え例:
她觉得很尴尬,不知道说什么好。
(気まずくて、何を言えばいいか分からなかった)

解説

「不好意思」は照れや遠慮を表す言葉、
「尴尬」は場の空気が気まずい、反応に困るような状況に使います。

この言い換えでは、「恥ずかしい」気持ちを「場の気まずさ」として表現しています。

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