誰かに嬉しい知らせをもらった瞬間、心の中でパッと花が咲くような気持ちになったことはありませんか?
そんな「喜びがあふれる様子」を詩的に表す中国語の成語が、心花怒放(xīn huā nù fàng)です。
本記事ではこの成語の意味や由来、使い方、例文、類義語との違いまで、やさしく丁寧に解説していきます。
「心花怒放」の意味・使い方・漢字の由来まで徹底解説!
作文やスピーチで使えたら印象的な表現、「心花怒放」。
この成語の正しい読み方と漢字の構成を、まずしっかり押さえておきましょう。
「心花怒放」の読み方と成語の形(ピンイン付き)
成語:心花怒放
ピンイン:xīn huā nù fàng
【意味】:心の中の喜びがあふれ出し、花が咲くように表現される様子。
→ 非常に嬉しい・大喜びしている状態 を比喩的に表す。
「心花怒放」の意味:どんなときに使う?
「ただ嬉しい」だけではなく、感情があふれ出したような状態を表します。
「心花怒放」は、直訳すると「心の花が勢いよく咲く」
つまり、心の中で花がパッと咲くような、抑えきれないほどの喜びを言うわけですね。
想像しただけで幸せな気持ちになりませんか?
まるで、春の花畑が一気に咲き誇るような情景、「嬉しい」を超えて、「喜びがあふれ出す」イメージです。
- 天にも昇る気持ち
- 胸がいっぱいになるほどうれしい
- 嬉しさでいっぱい
「心・花・怒・放」それぞれの漢字に込められた意味
- 心:感情の中心、心の中
- 花:喜び・美しさの象徴
- 怒:ここでは「怒る」ではなく、「すごく勢いがある」という意味
- 放:開放する、広がる、放つ
また「心花」と「怒放」はそれぞれ以下のような意味があります。
「心花」→仏教用語で、清らかで善良な心。
「怒放」→花が一斉に咲く様子。満開になる。
全体で「心に咲いた花が勢いよく開放される」=喜びがあふれ出る、という表現になるわけですね。
この成語はどこから来た?出典と使用例を紹介
出典にはいくつか説があり、
书海出版社の成语词典では清の作家・曾朴の「孽海花」とあり、
百度百科では清の作家・李宝嘉の風刺小説『文明小史』(1903年~ 雑誌連載)とあります。
誤解しやすいポイント:「怒」は怒ってるわけじゃない!
「怒」の字に引っ張られて「怒って花が咲く?」と誤解しやすいですね。
ここでの「怒」は「勢いがある」という点に注意。
「怒放」で「花が一斉に咲き誇る」様子をいいます。
似てるけど違う!「心花怒放」とその仲間たちを比較
成語 | ピンイン | 意味 | 主な場面 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
心花怒放 | xīn huā nù fàng | 喜びがあふれ出す | 作文・SNS・祝辞 | 比喩的で詩的、華やか |
喜出望外 | xǐ chū wàng wài | 予想外の喜び | 感謝文・お礼状・作文 | 驚き+謙虚さ |
乐不可支 | lè bù kě zhī | 喜びすぎて抑えられない | 書き言葉・やや古典的 | 表現が強いが古風 |
欢天喜地 | huān tiān xǐ dì | 大喜びで騒ぐ | 春節・祝い事・イベント | グループ的・陽気 |
兴高采烈 | xìng gāo cǎi liè | 気分が高揚している | 一般会話・描写 | やや口語、日常でも可 |
動画での解説はこちら
「心花怒放」の使い方がわかる例文集(ピンイン・和訳つき)
「心花怒放」は、日常会話よりも作文や小説、エッセーなどやや書き言葉寄りの表現としてよく使われます。
以下の例文は、作文の参考や読書中の理解の助けとして役立てていただければ幸いです。
【例文1】
听到她考上了理想的大学,妈妈心花怒放。
Tīngdào tā kǎo shàng le lǐxiǎng de dàxué, māma xīn huā nù fàng.
(彼女が志望の大学に合格したと聞いて、母は嬉しさで胸がいっぱいになった。)
志望校に合格したという知らせを聞いて、母親の喜びがあふれ出る様子を「心花怒放」で表しています。
「高兴」や「开心」よりも感情の高ぶりが強調され、まるで心の中に花がパッと咲いたような、抑えきれない嬉しさを表現しています。
受け身の立場(知らせを聞いた側)が「心花怒放」になっている点もポイントです。
【例文2】
孩子收到生日礼物时,心花怒放,兴奋得跳了起来。
Háizi shōudào shēngrì lǐwù shí, xīn huā nù fàng, xīngfèn de tiào le qǐlái.
(子どもは誕生日プレゼントを受け取ったとき、嬉しさで心がいっぱいになり、興奮して飛び上がった。)
子どもがプレゼントを受け取って大喜びする、感情が爆発する瞬間を「心花怒放」で生き生きと表現しています。
単に「高兴」や「开心」ではなく、「心の中に花が咲く」ような強い喜びがイメージされます。
後半の「兴奋得跳了起来(興奮して飛び跳ねた)」とセットで、内面の感情と外にあふれ出る行動がつながっているのもポイントです。
【例文3】
今天听到妈妈说要带我去动物园,我心花怒放,开心极了。
Jīntiān tīngdào māma shuō yào dài wǒ qù dòngwùyuán, wǒ xīn huā nù fàng, kāixīn jí le.
(今日、母が動物園に連れて行ってくれると言うのを聞いて、私は心がパッと花開くように嬉しくなり、最高に楽しかった。)
子どもが動物園に行けると聞いて喜ぶ様子を、「心花怒放」で詩的かつ感情豊かに表しています。
「开心」や「高兴」では表しきれない、喜びが心からあふれ出す瞬間にぴったりの表現です。
また、「心花怒放」の後に「开心极了」を重ねることで、内面の喜びと外面の楽しさを強調する構成になっています。
「パッと花が咲く」ような心の動きが、読者にも伝わりやすい例文ですね。
「心花怒放」を使ってみよう!練習問題つき
「心花怒放」と反対の意味になりそうな成語を次から選びましょう。
A. 垂头丧气
B. 兴高采烈
C. 欢天喜地
D. 一帆风顺
解答と解説を見る
答え:A
解説
A. 垂头丧气(chuí tóu sàng qì)
- 意味:しょんぼりする、落ち込む、意気消沈する
- 【反対語として最適】
→ 喜びで心がはじける「心花怒放」とは正反対の「失望・落胆」の感情を表します。
B. 兴高采烈(xìng gāo cǎi liè)
- 意味:非常に嬉しそうな様子、テンションが高く、気分が盛り上がっている
- 【類義語に近い】
→ 心花怒放と同じく「気分が高揚した喜び」を表し、日常会話でもよく使われます。
C. 欢天喜地(huān tiān xǐ dì)
- 意味:天地が喜びに満ちたような大はしゃぎ、大喜びする様子
- 【類義語に近い】
→ 心花怒放よりも「賑やかさ」や「集団の陽気さ」が強調されます。
D. 一帆风顺(yī fān fēng shùn)
- 意味:すべてが順調に進むこと、順風満帆
- 【意味の方向性が異なる】
→ 喜怒哀楽の感情ではなく、「物事の進行」に関する表現なので、直接の反対語ではありません。
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