中国語の単語を効率的に覚えたいけど、暗記やノート作りは苦手…。そんな悩みを解決する方法を紹介します。
ノートや単語カードは不要。実践的な学習法で、無理なく語彙を増やせます。
プロ通訳になった実体験をもとに、最短で効果が出る方法を解説します!
この記事の内容を動画でも解説しています↓↓
詳しく知りたい方はこのまま記事を読み進めてください。
効果的な学習法と「使える単語」の増やし方
中国語学習では、単語帳に頼らず、実際に使える語彙を自然に増やすことが重要です。このセクションでは、効率的な学習法と発音の基礎を固めるためのポイントを紹介します。
単語帳に頼らない学習法とは?
ボクはよく「単語帳は使わない方がいい」と言っていますが、その理由は以下の通りです。
1. 単語帳で暗記しても使い物にならない
単語帳で暗記した単語は、実際に使うときに自然に出てこないことが多いです。単語帳を使って頭に入れても、文脈の中でその単語を使いこなすのは難しいものです。
2. 使うときにエラーが出る
単語帳で覚えた単語は、文脈を無視して使うとエラーが発生しやすいです。単語を使うシチュエーションで「これで合っているのか?」と不安になることがあります。
3. 日本語に訳すクセがつく
単語帳では、たいてい中国語→日本語という形で学習します。この方法を繰り返すと、どうしても「中国語を見る→日本語に訳す」というクセがついてしまいます。これが大きな問題です。
脳に強いインパクトを与えますし、無意識のうちに「中国語を日本語に訳す」という考え方が定着します。その結果、中国語を見て、日本語の意味を確認しないと安心できなくなります。
ボク自身も、5ヶ国語を単語帳で学んでいましたが、日本語の意味を思い出すことができないと、単語の意味が不安になり、推測すらできなくなるという状態になりました。
【動画① 動画②】で詳しく解説!
4. 中国語脳が養われない
単語帳を使って日本語を挟んで覚えると、中国語脳が育ちません。つまり、直感的に中国語を理解できるようにはならないのです。
単語帳の弊害
単語帳で中国語を覚えることで、日本語を介して意味を確認する癖がついてしまうのです。これは非常に危険で、語学学習においては邪魔になってしまいます。
同様に、参考書でも例文に和訳が付いていると、それに頼りがちになってしまいます。できるだけ日本語を介さずに、直接中国語を理解する訓練をすることが大切です。
理想的な学習法
では、どう勉強すればいいのか?
シャドーイングが重要です。
最初はシャドーイングを行い、その後に音読をすることで、自然に中国語が身に付きます。
同時に、多読や多聴で中国語に触れる量を増やすと、語彙が自然に増えていきます。
単語を覚えてから勉強を始めるのは誤りで、まずは大量に中国語をシャドーイングして、言語の感覚を養い、その後で単語が自然に増えていくのです。
単語帳を使う時間をシャドーイングに使う
例えば、1日30分を単語帳に費やすと、1年で182.5時間になります。
その時間をシャドーイングに使うと、語学力が全く違う結果を生みます。
単語帳なしでも試験に合格できる
「でも、単語帳を使わずに試験に合格できるの?」と思う人もいるかもしれませんが、ボクは単語帳を使わずに、HSK6級の試験にも合格しました。
逆に、単語帳を使い続けた人は、実際の会話でその単語が使えないことがあるかもしれません。

もし単語帳を愛用していたのであれば、それをやめるのには勇気が必要です。しかし、単語帳は効果がないどころか、逆効果になることもあります。
いっそのことメルカリで売っちゃいましょう笑
目的は「使える単語」を増やすこと
単語を増やすために、ひたすら暗記するのは逆効果です。暗記した単語は忘れやすく、維持するための復習にも時間がかかります。
では、どうすれば効率よく単語が身につくのか?
答えは 「中国語脳をつくること」 です。
日本語で単語を覚えるのではなく、シャドーイングや多読・多聴を通じて、自然に中国語を吸収する環境を作ることです。
ポイントは 「来るもの拒まず、去るもの追わず」 の姿勢。
単語を忘れても気にせず、大量のインプットを続けることで、本当に必要な単語が自然と定着します。
- 大量のシャドーイング で中国語のリズムと構造を体に染み込ませる
- たくさん聞く、たくさん読む ことで無意識に単語を覚える
単語の暗記や文法の知識ではなく、 「中国語脳ができているかどうか」 が重要。
一度中国語脳ができれば、単語や文法もスムーズに吸収し、勝手に増えていきます。
単語が自己繁殖を繰り返してくれるよう中国語脳を育てましょう。
単語を覚えても、それが必要なときにすぐに取り出せなければ意味がありません。重要なのは「使える形」で覚えることです。
ボクが中国語を勉強し始めたとき、単語数は500個にも満たなかったのですが、中国語作文コンテストで3等賞を受賞しました。使用した単語は200個だけでした。




このように、単語数が少なくても、しっかり使える形で覚えていれば、さまざまなことを表現できるのです。
また、会話でも少ない単語で表現が可能であり、中国のCCTV中国語コンテストでも賞を獲得しました。

発音はリズムで覚えることで、より自然に聞こえるようになります。
- 重要: 使える単語を覚えることがカギ。
- 少ない単語数でも十分に表現可能。
- 発音はリズムで覚えると上手に聞こえる。
※中国語の単語を覚える前にピンインを覚えている必要があります。
【動画あり】詳しく解説!
多読・多聴で語彙力アップ
多読と多聴は語彙力を自然に増やす最も効果的な方法です。このセクションでは、音から学びながら、日常的に使われる語彙を効果的に身につけるためのアプローチを紹介します。
音から自然に覚えるのがベスト
ボク自身、中国で中国語を覚えた経験から、音を先に記憶するのが最も効果的だと感じています。
記憶の流れ
- 何度も聞いた「音」が頭に残る
テレビや街中で無意識に聞いたフレーズは、思い出せなくても脳のどこかに残っているようです。 - 文字を見たときに「あの時の音だ!」と気づく
文章でその単語を見たとき、ピンインを確認すると「あのとき聞いたアレか!」と思い出しやすくなります。
この方法なら、単語を意味とセットで記憶できるので、忘れにくくなります。
すぐに定着する学習法
例えば、「ナマズ」という言葉を知っていても、漢字を知らなかったとします。
→ 辞書やGoogleで調べると「鯰」と出ます。
→ 「知っている音」と「漢字・ピンイン」を結びつけると、一瞬で覚えられます。
多読でインプットを増やす
中国語の文章やSNSをたくさん読むようにすると、何度も出会う単語が自然と頭に入ってきます。
それらは現地で頻繁に使われる単語なので、実際に目にする機会が多く、効率的に学習できます。
たとえば、単語帳で世界の国名を200カ国近く覚えたとしても、大半は忘れてしまいます。仮に覚えていたとしても、実際に使うのは主要な数カ国だけでしょう。
しかし、中国でよく使われる国名には、次のようなものがあります。
- 毛里求斯(máo lǐ qiú sī):モーリシャス
- 马尔代夫(mǎ ěr dài fū):モルディブ
これらの国は、中国人が現地でビザを取得でき、旅行先として人気があるため、SNSなどで頻繁に話題に上ります。
単語帳で200カ国の名前を覚えたとしても、実際によく使われるこの2カ国を忘れてしまっては意味がありません。
つまり、効率のよい単語の覚え方は、多くの文章に触れ、実際によく使われる単語を自然に覚えていくことなのです。。
多聴でリスニング力と単語力を強化
多聴とは、たくさん聴くことでリスニング力を高める方法ですが、映画やドラマなどのコンテンツを見ることも、語彙力をアップするためには非常に効果的です。
ただし、内容が聞き取れない、またはわからない単語が多いからと言って落ち込む必要はありません。
目的は音に慣れることです。
ドラマや映画をほぼ完璧に理解できるのは上級者の証拠ですので、最初からそれを目指す必要はありません。
たとえば、水族館でお魚たちを見ながら「こんな魚もいるんだ」とその雰囲気を楽しむ感覚で十分です。
すべての種類の魚を覚えようとする必要はないですよね?
多聴は勉強の合間に休憩がてらでもできるので、気軽に取り組むことができます。
日本ではあまり有名ではない映画も多いですが、素晴らしい作品もたくさんありますよ。
最近では、日本でも華流(中国や台湾などのエンタメ)が少しずつ人気が出てきていますね。
U-NEXTなどの動画配信サービスでも、華流コンテンツの配信が増えてきました。
詳しくは以下の記事で解説しますが、これらの映画は文化や習慣を理解するうえでも大いに役立ちますので、オススメです!
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例文をたくさん読んで単語を文脈で覚える
単語を単独で覚えても、忘れないようにするためのメンテナンスに時間がかかり、効率が良くありません。
日本語教師をしていた経験から、単語帳で覚えた学生は
- 私は彼を知ります。
- 何を食べません。
- 何を呼びますか?
などと誤用してしまします。
単語帳には「知ります:知道,认识」「何:什么」「〜を食べます:吃」と記載されていますが、これを覚えると以下のような誤用が生じやすくなります。
①我认识他(彼を知っています)→私は彼を知ります。
②什么都不吃(何も食べません)→何を食べません。
こういったミスは、単語帳で覚えた場合によく起こります。
一方、例文で覚えた場合、「知ります」というのはこの形ではなく、「知っています」や「知りません」と使うことが自然に理解できます。また、「誰も(何も)+否定」というパターンを多く見れば、自然にその使い方が身につきます。中国語と日本語の表現の違いも理解でき、誤用を防げます。
単独の単語で覚えると、実際の会話で使えないばかりか、意味が通じなくなることもあります。日本語と中国語は完全に対応しているわけではないので、単語帳で日本語の意味を覚える方法は入門段階で卒業するべきです。
その代わり、わからない単語や例文を頭に貯めておくことが重要です。脳は無意識にそれを考え続け、やがて理解できるようになります。この方法で、日本語を介さずに中国語を覚えることができ、自然なアウトプットが可能になります。
常用漢字をざっとチェック
頻出漢字の読み方を先に覚えるのも有効です。実際、頻出の140漢字が全体の使用率50%を占めると言われています。漢字が読めると、新しい単語に出会ったときにも、ピンインを調べる回数を減らすことができます。
しかし、単語を書くことで覚える方法は非常に非効率です。単語を覚えるときには忘れることを前提にし、何度も繰り返し目にして脳に送り込むことが重要です。
例えば、500個の単語を覚えようとすると、「1日10個書いて覚えれば50日で1周できる」と考えがちですが、1ヶ月後に最初の単語をどれだけ覚えていられるでしょうか?これは効率が悪く、速度も遅すぎます。
また、書いている間は脳の働きが止まるという研究結果もあります。つまり、単語を書いて覚えるのは、ただ指の筋肉を鍛えているだけになってしまうのです。
では、どのように覚えるのが効果的なのでしょうか?
アウトプットで単語を定着させる方法
アウトプットを通じて単語を定着させることは、語彙力を強化するために不可欠です。実際に使うことで、単語が記憶に深く根付き、自然な会話の中で活用できるようになります。
シャドーイングで実践的に身につける
シャドーイングでは、音声を1秒遅れで追いかけながら繰り返し読みます。最初は速くてついていけないかもしれませんが、何度も繰り返すことで自然に身につきます。
通訳の訓練法としても使われるこの方法は、リズムに注意を払いながら実践することが重要です。20周、30周と続けてみましょう。

タイピングで書いて覚える
単語を覚えるために、書くことは必須ではありませんが、パソコンやスマホでタイプできるようにしておいた方が良いです。
今の時代、チャットが中心で、書く機会が減っている一方で、タイプする機会は非常に多くなっています。特にHSKなどの試験でも、PCでのタイピングを取り入れた形式を選択する人が増えています。

タイピングを通じて単語を入力することで、ピンインや語彙が自然と記憶に残りやすくなります。ボク自身も、ピンインはタイピングを通して覚えることができました。逆に、タイピングをしていなかったら、ピンインは覚えにくかったと思います。
辞書を眺めて新しい単語を発見する
辞書を眺めてみることも、非常に効果的な学習方法です。その際におすすめするのは紙の辞書です。
電子辞書なども便利ですが、ランダムに読むには紙の辞書の方が適しています。紙の辞書を開くと、ランダムに出会ったページに載っている単語やピンイン、例文が自然に目に入り、予想外の単語に触れることができます。
特におすすめなのは、すべて中国語で書かれた中ー中辞書です。
现代汉语词典は中国の小学生から大学生、さらには中国語教師までもが使っている定番の一冊です。妻も学生時代にこの辞書を使っていたと言っていました。
メルカリで売られているので欲しい方は検索してみてくださいね。
単語の説明や定義が簡潔な中国語で書かれているため、十分についていけます。新しい語彙を効率よく学ぶために、辞書を活用してみてください。
まとめ:最短で語彙を増やすコツ
まとめると、中国語脳を作ることが重要だということでした。
- 単語帳は使わない
- 単語は自己増殖させる
- 単語でなく文章をシャドーイングする
- 多読・多聴を続ける
これらの方法では、紙に書いたり、ノートや単語カードを作ったりすることは避け、実際の言語環境に浸ることが中心になります。
中国語脳が作られれば、その中で単語や文法知識は自己増殖を繰り返し、自然に身につきます。逆に、ゴリゴリの暗記法に頼ると、知識を常に補充し続けなければならず、忘れて消えていくのを防ぐメンテナンスが必要という無限ループに陥ることになります。
そのため、自然に言葉を使いこなせる環境を作ることが、最も効率的な方法だと言えるでしょう。