離婚が難しくなった中国!手続き増加&「冷却期間」ができて離婚率低下。3組の実例も紹介

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こんにちは!ちゃいなサプリのYuki(@YukiHiroi)です。

中国ビジネス情報誌『新周刊』第592期に紹介された記事から紹介します。

今回は中国の離婚についてです。
2021年の1月1日以前は中国は世界で最も離婚するのが簡単な国の一つでした。

1組の夫婦が離婚を決めたら、その場で離婚証をもらいサインすれば、それだけでもう離婚成立です。
しかし、2021年からは離婚の手続きに大きな変更がありました。それを具体的な離婚体験を含めて、くわしく見ていきましょう。

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離婚が難しくなった?

2021年1月1日から《中华人民共和国民法典:zhōng huá rén mín gòng hé guó mín fǎ diǎn》という中国民法典が実施され、その中では離婚についても新たな変更がありました。
〈申請→受理→冷却期間(中国語では冷静期:lěng jìng qī)→審査離婚証発行〉
という流れになり、「冷却期間」30日と定められています。

上のプロセスの間、夫婦のどちらか一方でも気が変わって、離婚を取りやめたいとなれば離婚登記の申請を破棄することができます。

さらに、30日の冷却期間後、夫婦のどちらも直接離婚証を取りに来なかった場合も離婚申請放棄であるとみなされ、離婚は成立しなくなります。

ネット上での反応

これを受けてネット上では賛否両論、意見が分かれました。

【賛成派】
賛成派の意見としては、この冷却期間があることで「衝動的離婚」をする率が下がるということでした。夫婦げんかの延長で、衝動的に離婚を申請するということができなくなります。

以前は申請すればすぐに離婚成立したので、衝動的に役所に行って離婚するという夫婦もいたようです。それが今年からはできなくなります。離婚には少なくとも1ヶ月かかりますからね。

【反対派】
反対派の意見としては、今回の改定で離婚の難易度が上がり、婚姻中の弱者が不利になるということです。

例えば夫のDVがあり、すぐにでも離婚したいといった場合もそう簡単に離婚できなくなりましたから、その分不利になるというわけです。

「離婚」は迅速に決定される痛快な一撃だと考えられて来ましたが、それができなくなるのです。

以下、具体的な夫婦の実例を見ていきましょう。冷却期間で何か変わるのでしょうか?

申請

A子とA夫は度重なる言い争いを経て、その後お互い口を聞かずに冷戦期間に突入。離婚を口にするようになって、気がつくと役所のロビーに座っていた。

身分証明書、戸籍謄本、結婚証、顔写真…思いつく必要書類はすべて持ってきた。

二人一緒に車で役所に向かう途中、A夫は「新生活のはじまりだ!すぐ出会い系アプリをダウンロードして一番いい写真UPしてナンパしよっと。」とひとりで話つづけた。

A子はこうしてわざと刺激してきているということを知っているが、心は一切何も感じなかった。ただ疲れを覚えるのみだった…。

役所では係の人間が必要書類を持ってきた。記入例もあったが、A子はネットで探した書類にあらかじめ記入しておいたので、ただそれを写すだけだった。

A子もA夫もお互い話すことなく、ずっと無表情だった。

役所を出てもA子は肩の力を抜くことができなかった。ただ一歩前進したかと思うだけ。
というのも、A夫の態度がころころ変わり、離婚申請書にサインするのにも手間取ったのだ。これからの30日つづく「冷却期間」で、A夫が余計なことをしないかA子は心配していた―

思った通り、A夫は夜家に帰ってくるなり
「一ヶ月後、俺は離婚証もらいに行けないから。行きたきゃ自分で行きな。」

それに対し、A子は「うん。」とだけ答えた。

それに比べて上海に住むB子とB夫夫婦は冷静だった。B夫の不倫が発覚してから、二人は各自長い長い静かな日々を過ごしていた。

B子が出張から帰ってきて、浴室にイヤリングがひとつ多いことを発見した。B夫は言い訳をするでも無く、すぐに離婚を切り出した。B子もきっぱり同意してやった。

B子は怒りもあり、同時におかしくもあり、言った。
「なんでドラマで見るシーンと違うんだろうね。どうして、土下座して泣いて、頭をかかえて許しを乞うとかないんだろうね。」

半年の別居を経て、人が少ないであろう平日を選んで離婚申請にやってきた。役所は思ったよりも人が多かった。手話で話している夫婦をB子は見かけた。それでB子の心から一抹の不安も消え去った。
「口がきけない人だって離婚する勇気があるのだから、私だって大丈夫。」

もう一度…

A子とA夫は結婚して5年になる。お互いに”老公:lǎo gōng”(旦那さん)”老婆:lǎo pó”(奥さん)と呼びあったことは一度もない。
(※中国では夫婦がお互いこのように呼び合うことが一般的。カップルで呼び合うこともある。)

二人だけの愛らしいニックネームがあるわけでもなく、ただ本名を読んでいた。A子に至っては、本人の前で直接名前を呼んだことすらなかった。
(※中国語ではyouを意味する你:nǐを使えば名前を呼ばずに会話は成立する。)

他の人の前で自分の夫に言及しなければならないときは“A兄”と呼んだ。「夫」とか「主人」とかいう単語は一切使わなかった。

このような日常の一部をみてもA夫婦の関係をよく表していた。

夫婦であるが、結婚した当初から無理してつくろっていたところや素っ気ない感じであった。5年前に知り合った頃、A夫は1度目の結婚生活にピリオドを打ったところだった。そのころA子は両親から結婚を催促されていた。そして二人は出会い系アプリで知り合った。

付き合っている間、言い争いが絶えず、最後に別れを切り出そうと思っていたときにA子の妊娠が発覚した。

子供は二人にとって新たな希望になった。お互いがそれぞれもう一回チャンスをあげるような形で、別れるという話は白紙に戻した。しかし、これが新たな問題を生むことになった。

妊娠中、A夫は夫としての関心を示すことはなかった。買い物も食事もすべてA子ひとりでやった。結婚式もお互い仲良くは過ごせなかった。お祝儀と化粧のことで大喧嘩した。

結婚後、A夫の気性は悪くなった。A子も弱さを見せることはなかった。二人はまるで大きさのちがう歯車のようで、噛み合うことは永遠にないようだった。

家は買っていない。A夫がギャンブルで200万元(約3,400万円)の借金を作ったからだ。

思い返してみるとA子にとって、最も後悔していることは、結婚式の日に逃げ出さなかったことだという。

冷却期間2日目、A夫はA子に2万元(34万円)のグッチのバッグをプレゼントした。昨日のことに対する謝罪として。そして、「子供のことも考えて欲しい。子供の人生を壊さないで欲しい。」と言った。

A子はそのバッグをソファーの上に放った。A子はより怒りを覚えた―その2万元に心が痛くなった。

少し前に、A子は子供をレゴ教室に入れたくて、A夫に相談していた。その学費は2万元。A夫は聞いていないふりをして取り合ってくれなかった。

冷却期間3日目は5月20日(この日は中国で愛の日とされている。発音が520:wǔ èr língと我爱你:wǒ ài nǐが似ているからだ。)A夫はバラの花束を持って帰ってきた。こういった祝日を積極的に祝ってくれたことは今まで一度もない。「子供のために」「俺はお前を愛してる」みたいな言葉を何度も繰り返した。A子の心はまったく動かなかった。

A夫は恨めしさと恥ずかしさで怒りだし、協議書を探し出してきて、子供の養育権について主張してきた。A子と子供が一緒に住むことは許さないと。

しかし、A子はまったく動揺することはなかった。A夫が騒げば騒ぐほど、早く離婚したくてしょうがなくなった。

冷却期間の半分が過ぎたとき、A夫は再び和解を持ち出した。このときは子供を使って。
A子が仕事から帰ってくると息子は「パパがママへのプレゼントを車に用意してるよ。ママきっと喜ぶよ。」と言ってきた。

1日ごとにこのような「芝居」が繰り返され、A子はこの冷却期間の30日間が長くて仕方なかった。そしてこの冷却期間の存在意義が理解できなかった。

「毎日毎日考えるのは冷却期間後の新しい人生のことよ。」とA子は言う。

冷静

離婚申請後、どのように暮らしていこうかとB子はずっと悩んでいた。B夫の不倫が発覚して、一番最初に頭によぎったのが離婚。しかし、そのことを神経衰弱の両親になんて説明しようか答えが出なかった。そして夫婦の財産はどのように分ければいいのかも頭を悩ませた。

家を買うときに夫と半分半分出し合って頭金にした。ローンも毎月半分ずつ負担していた。上海の物価からみて、この家を売ったとしてもB子が自分で住む家を買えるほどのお金にはならないことを知っていた。

B子は仕事のプレッシャーもあり、これらの問題を考えて来なかった。そして、離婚を決意してから、離婚申請するまでに半年もの時間を費やした。話し合いの結果、離婚後B夫が新しい家を買い、そこにB子を住まわせることになった。売ることになった場合、そのお金は折半という話で落ち合った。

新しい家に住める状態になるまでは、二人は同じ屋根の下で暮らすことになるが、B子は寝室で寝て、B夫はリビングで寝ることになった。

冷却期間中、二人はルームメイトのような関係を保ち、各自生活した。相手に自分の行動を知らせる必要もなく、一緒に食事することもないが、週末は一緒にテレビを見る。

2歳半の息子は二人の間に起きたことに気がつくこともなかった。B子は息子がいても離婚することを特別なことだとは思わなかったが、3人で一緒に出かけたときに息子が真ん中で二人と手をつないでうれしそうに「ボクたちみんな家族〜」なんて言うのを見るとやるせない気持ちになった。

B子はB夫の行為に対して許すことはできないが、それでも冷却期間を設ける意義はあると考えている。周りの友達を見ても、結婚は順風満帆ではないようで、一緒に集まれば愚痴大会になった。誰かが離婚したいと口にすれば、どっちつかずの意見を言う役を演じた。

「人って言うのは、衝動で動かされるものだからさ、ちょっとの問題なら冷却期間中にだんだん解決できるかもよ。」

C子とC夫は結婚7年になる。数回に渡る別居や喧嘩・冷戦の後、2ヶ月前に離婚を申請した。C夫は育児に参加せず、ゲームばかりしていて、おまけに気性も荒い。C子は起業に忙しく、冷戦中はお互い数日間顔も合わせることがなかったのが常だった。

二人は離婚を固く決心したというわけではなかった。離婚協定で、養育費の問題について話し合ったとき、C夫は「―00元」書いてある数字の後ろに「+」を書き足して、「―00元+」とした。
係員がどういう意味か聞くと、
「以後もっと稼げるようになったら、もうすこし多めにあげたいんです。」とC夫。
「この符号は使えません。削除してください。」と係員。

C子はこれを聞いて少し感動した。しかし、心の中の恨みは消えていない。
C夫とC子は冷却期間中は別居することにした。それでも連絡はWeChatで取り合っている。

冷却期間初日、C子はC夫にWeChatで離婚後の生活について相談した。子供はどうするか?住む場所はどうするのか?C子がすべて言い終わらないうちに「明日俺家帰るよ。」とC夫からメッセージがきた。

冷却期間2日目、C夫はカラーリングしてあった髪を黒く戻し、C子に花束を持って帰ってきた。そして、C子の目の前でWeChat内の「酒の会」というグループチャットを削除した。今まで使っていたiPhoneは売ってしまっていて、ゲームもできず、TikTokもできないシニア用携帯を使っていた。

「冷却期間は実際必要だと思う。離婚に踏み切ってからお互いの内心がわかるということもあるし。もし冷却期間がなかったらおととい申請書もらってすぐにサインして、もう終わりだったわ。」とC子は言う。

結末

中国のそれぞれの省や市の新聞に出ているデータによると、2021年1月〜4月までで江蘇省では1万組の夫婦が離婚を取りやめた。浙江省杭州市では2021年1月に離婚申請した夫婦のうち、38%が離婚を破棄し、2021年1月〜3月5日までに湖北省武漢市で58%が離婚を取りやめた。


C子とC夫はこのデータの中の一組になった。冷却期間が始まって、たったの2日で「冷却」できた。C夫は専業主夫として家事全般をこなすパパになると決め、そして起業して忙しいC子を全力でサポートすることにした―。


A子はついに離婚証をもらえる日を迎えた。丁寧に化粧をし、この日は真紅の口紅を選んだ。A夫とは役所の前で待ち合わせることにした。

一方でA夫は準備もできていなかった。財布を忘れ、途中で家に取りに戻る始末。A子は長い間待たされた。
やっと離婚が成立すると資料をそろえて提出するが、A夫の提出した写真の寸法が合わないと言われ、失望したA子は係員を怒鳴りつけた。「ほんの数ミリのちがいじゃない!なにがいけないのよ!」

1日遅れで離婚証を受け取ったA子は役所を出て、やっと大きく息がつけた―。


B子とB夫は計画どおり、冷却期間が終わってからすぐに離婚証を取りに来た。B夫が買った家がまだ内装中で住める状態にないから、しばらくの間は同居状態が続くことになる―。


役所の前では、中年のおばちゃんが若い女性の腕を必死に引っ張っている。女性が手にしている離婚申請書を破り捨てようとしている―

最後までご覧くださりありがとうございました!

紹介された離婚劇は実話なのでリアルでしたね。
もっとくわしく知りたい方はこの本もオススメです→中国式離婚

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