こんにちは!ちゃいなサプリのYukiです。
中国ビジネス情報誌『商界』第688期に紹介された記事から紹介します。
みなさんは中国製品にどんなイメージを持っていますか?
安かろう悪かろうと言われることもあります。
メイドインチャイナは品質が悪いというイメージを持っている人もいるでしょう。
もちろんそういったものもありますが、レベルUPしたハイクオリティのものも多く誕生しているのですよ。
たとえばジャーナリストの周来友さんとの対談でもイマドキのメイドインチャイナはすごいとお話してくださいました。
中国の「今」は日本の「未来」などと言われることもあります。中国で流行っている製品がいずれ日本で流行ることになることも考えられます。
いま「中国ブランド」が世界で存在感を増しています。
ビジネスパーソンとして、今の「中国ブランド」を理解しておくことは必須といえるでしょう。
そしてこの記事では中国のビジネス情報誌で取り上げられた中国国内でブームになっているドリンクの会社「元気森林」についておとどけします!
動画版はこちら↓
若者の新ブーム:チャイナブランド
中国ではこのチャイナブランドを「国货:guó huò」とよびます。
〈买国货:mǎi guó huò(買う)用国货:yòng guó huò(使う)晒国货:shài guó huò(さらす)〉
を選択する若者が増えてきていると言います。
そして同時に、これが新消費時代の新たな特徴のひとつになりつつあると。
新カテゴリー誕生の背景
「中国ブランド」という新カテゴリー誕生の動力となったものは2つあります。
①ユーザー:新しい場面,新しい需要が新カテゴリーを誕生させた。今の製品は精密さにこだわりを持っていて、製品ごとにターゲットユーザー層をしぼっている。
②新テクノロジー:新しい技術や技工、さらに新しい材料がこの新カテゴリーを生んだきっかけになった。
Zero to One:中国版テスラ?
本誌の筆者はイーロン・マスクでおなじみのテスラを例に挙げています。
テスラの0から1を生み出した「Zero to Oneモデル」に似たものとして“元气森林:yuán qì sēn lín”という飲み物の会社を紹介しています。
元气森林(英語名はGENKI FOREST)は0糖 0脂肪 0カロリーをうたい文句にして中国全土を風靡しました。人気なのはこのようなソーダですね。
コンビニなどで目につくデザインが特徴です。キンキンに冷やして、のどに流し込むと気分も爽快!
日本でも買えますよ!
2016年の設立から4年で約140億元(約2400億円)にまで成長を遂げました。
2019年の11月11日(タオバオのセールの日)には中国国内で全ネット上売上中第2位を達成し、これはコカコーラを抜きました。
無糖飲料水ブーム
無糖飲料は「元気森林」が発明したわけではなく、中国国内においても 数種類が発売されてきました。
2011年 农夫山泉:nóng fū shān quán が無糖茶の”东方树叶:dōng fāng shù yè”を発売。
現在茶πという商品も発売中。
同年、天喔茶庄:tiān wō chá zhuāng が”天喔:tiān wō”シリーズとして3種類の無糖茶を発売。
2012年には康师傅:kāng shī fù が同じく無糖茶である”一本味茶庄:yī běn wèi chá zhuāng”を発売。
この商品は日本では購入できませんが、他の康师傅の商品はこちら:
このブランドはインスタントラーメンが有名です。中国でよく食べられているブランドですね。
炭酸飲料ではコカ・コーラ社は1982年には無糖をうたったダイエットコーラをすでに発売していました。
フルーツ味の炭酸飲料の領域で見れば、有名所としてペリエが4−5種類を販売しています。
「元気森林」はどのようにして勝ったのか?
上に見たように「元気森林」の商品は、独自の開発というわけではなくて、以前から中国国内にすでに存在していたものでした。
しかし「元気森林」は〈先輩たち〉の不足を補うという方法でトップに立つことができたのです。
無糖だけど甘い!
無糖茶や無糖のスパークリングウォーターの一番の問題は「甘くない」ことだと筆者は言っています。
これらの商品のターゲット層は「健康に対して大きな関心があり、健康のためなら味は気にしない」という層で、これは全体からみると少数にあたります。
よって「元気森林」はこの層をターゲットにしなかったのです。
「元気森林」が発売したお茶は甘みがあるようにしました。
(私も飲みましたが、結構いけます。妻が数本買ってきて、いまでも我が家の冷蔵庫にはこの「元気森林」のお茶がありますよ。)
不健康だというレッテル
コカ・コーラ社は多くの無糖炭酸飲料を発売していますが、その母体であるコーラやファンタ、スプライトは不健康であるというレッテルや印象を持たれています。
無糖であっても、このようなレッテルのせいで購入しない層も存在します。
ちなみに、私はファンタがコカ・コーラ社のものだとは知りませんでしたw
コカ・コーラ社のドイツ本部が開発したものだそうです。てっきり日本のものかと思っていました…。
人口甘味料をつかわない!
「元気森林」は新しい人口甘味料を作るだけの技術があるわけでもないと筆者は言います。
しかしこれが理由で競争に参加できないというわけではないのです。
というのも、エリスリトールという自然由来の甘味料を使うことにしたのです。
これはトウモロコシを原料に酵素を用いて製造できる甘味料で、砂糖の代わりになるのです。そして歯にもやさしい!
ショ糖(砂糖の主成分であるスクロース, Sucrose)の60~70%の甘みを持ち、砂糖と違ってカロリーはほとんど無く血糖値には影響を与えず、虫歯の原因になることも無い。また、インスリン(Insulin)の分泌も刺激しない。
https://ja.wikipedia.org/wiki/エリトリトール
このように材料を工夫することで、「元気森林」は今までとは違った甘い
【0糖類・0脂肪・0カロリー】を実現させたのです。
失敗例
上の通り、【0糖類・0脂肪・0カロリー】で一躍注目を浴びた元気森林が発売した
【0ショ糖・低脂肪】のミルクティーシリーズが消費者の怒りを買ってしまいました。
ネット上でこの飲み物の成分表に「果糖」が入っているとして、これじゃ0糖じゃないかと炎上。
会社は謝罪表明を出すハメになってしまいました。0ショ糖と0糖のちがいをはっきりと説明していなかったと。
果糖や麦芽糖、乳糖、ブドウ糖、さらに蜂蜜や濃縮果汁などは「糖」とみなされるため、これらを使用していてもショ糖を使っていなければ0ショ糖となるわけです。
法律上、製品100g中の糖分量が0.5g以下であれば、無糖とみなされるのです。
よってこの製品も法律違反をしたわけではありません。
ターゲットはZ世代
「元気森林」の商品はラベルがインパクトがあって目につくようになっています。
以前の記事でも紹介しましたが、中国ビジネスのキーワードは『若者』でしたね。
「元気森林」も例外にもれずターゲットをZ世代(1990年中盤以降に生まれた若者世代)にしぼって、成功を収めました。
今までになかった甘い【0糖類・0脂肪・0カロリー】をぜひ体験してみてください。私もこれからコンビニに買いに行ってきます!
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