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中国がインフレでやばい!紙の値段が上昇中【中国経済の今を知る】

こんにちは!ちゃいなサプリのYukiです。

中国ビジネス情報誌『商界』第692期に紹介された記事から紹介します。

中国では最近豚肉が安くなっているというのが注目されています。
>>中国で豚肉の価格が安くなっている!豚コレラと貿易戦争で価格変動、新ビジネス誕生か?

動画版は↓↓

中国インフレで紙の値段が急上昇!

もともと6500元(11万円)/トンであった白い板紙が、いまでは 14000元(24万円)/トンにまで値上がり、利益は30%も減少したと言います。これはすでに鋼材より高いのです。

そしてこの値段の跳ね上がりようは、最近中国で値上がりが叫ばれていた豚肉よりも大きいのです。

中国で紙がインフレ

値段上昇の原因は材料の値段高騰にあります。

製紙工場はコスト削減元本割れ回避のために次々に工場の操業停止を始めています。

中国で紙がインフレ
写真はイメージ

紙を作る方法は大きく分けて2種類あります。

①製紙用パルプ系
②リサイクル紙系

①の製紙用パルプは木片から作られて、中国では長年輸入に頼って来ました。

2003年以降、中国は製糸パルプ輸入世界一で、国内需要も高まる一方です。

中国で紙がインフレ

しかし、海外の製紙用パルプ工場もコロナ禍で操業を停止しているため、海外との貿易は思うように進んでいません。

2020年7月から2021年3月までに製紙用パルプの値段は400ドル(4400円)/トンも値上がりしているのです。

筆者はこう言います。

外国貿易が製紙用パルプの生命線を絶ち、しかしまた、ひとたび禁止令が出ようものならリサイクル用の廃紙も入ってこなくなる明日がある。

そして国はついに2021年1月1日に「禁废令:jìn fèi lìng(海外ゴミ輸入禁止令)」というのを発令し、どんな方式であれ海外から固形廃棄物を輸入することは全面禁止にしたのです。

中国で紙がインフレ



※この海外ゴミを輸入することは1980年代に経済的に開放されて以来、工業用の原料不足を補うために開始された。


これが中国国内の廃紙価格を大幅に上げたことは言うまでもありませんね。

さらに「限塑令:xiàn sù lìng(プラスチックの利用規制)」も2020年から厳しくなり、ストローや袋などプラスチックの代わりに紙を使用するところが増えました。

これにより紙の値段はさらに上がることになったわけです。

中国で紙がインフレ

ストローの話は以前紹介しましたね。どん底から世界のストロー業界のトップまで上りつめた字の書けない男の話↓

中国ビジネス注目の人物:ストロー業界の王,楼仲平。どん底からはい上がる方法

中国で紙がインフレ
紙でできたストロー

生活用紙の値段はあがるの?

トイレットペーパーやティッシュなどの生活で使われる紙類の値段は10〜20%の値段上昇にとどまっています。

そして、これはまだ物価上昇の過程であると筆者は言います。

その主要な理由は2つあって、

①スーパーなどで在庫がまだ多数あること
②生産工場との長期契約の期間が残っていること

よって、短期間のうちに生活用紙の値段が大幅に上昇することはないようです。

ダメージの大きい業界①―包装業界

紙の価格上昇で一番困っているのは包装を担当(包装紙やダンボール箱や紙袋・紙箱など)しているお店だといいます。

そのような会社は中小企業が中心で、競争も激しく、包装費を値上げしようものなら競争から離脱してしまいます。

中国のタオバオのセールは年に何回もありますが、それまでこの価格であれば被害は大きくなってしますのです。
主なタオバオセール日はいつ?中国輸入をしている人必見!

中国で紙の値段が上昇

ダメージの大きい業界②―印刷・出版業界

紙の値段が上がることで、紙媒体を主体とした出版業界も大きなダメージを受けています。

印刷工場などは、注文価格の見直しを迫ってくるところも少なくないといいます。

工場が停止してしまった場合、小さい雑誌社などは紙の提供元を確保できなくなってしまいます。

中国で紙の値段が上昇

こういった理由で倒産を余儀なくされる工場も続出し、ある雑紙工場はアメリカの工場を買収することで、紙の提供を安定させたという話もあります。

リサイクル用廃紙の輸入が禁止されたため、国内の廃紙回収だけはなんとか確保しようと、工場同士が手を組んで回収企業にアピールしているという動きもあります。

中国で紙の値段が上昇

出版物の値段が瀑上がり?

北京印刷協会や北京出版社グループなど22社の印刷・出版業界関係者は「近い将来、歴史上例のない紙の値段爆発が短期間で起こる。」懸念があるとし討論が行われました。

中国で紙の値段が上昇

2021年4月の
PPIProducer Price Index生産者物価指数は6.8%の急上昇をし、
CPIConsumer Price Index消費者物価指数は0.9%の上昇のみ。

つまり、生産元はインフレ状態、消費元はデフレ状態というアンバランスが進行しているわけです。

造紙業界では独自に作られたこんなことわざが存在します。

玖龙一动天下动,玖龙不动都忍着:jiǔ lóng yī dòng tiān xià dòng ,jiǔ lóng bù dòng dōu rěn zhe(玖龙が動けば世界が動き、玖龙が動かねば世界は耐えるしかない。)」

※玖龙とは中国の造紙企業。弱肉強食の造紙業界のトップに君臨する企業。

中国で紙の値段が上昇


中国の経済を理解する1冊



中国の物価変化は日本にも影響があるかも知れません。私はもうすでにトイレットペーパーのまとめ買いをはじめました。

みなさんもこれを機に買い置きしてはいかがでしょうか?
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