こんにちは!ちゃいなサプリのYukiです。
中国ビジネス情報誌『销售与市场』第717期と『新周刊』第578期に紹介された記事から紹介します。
いまでは至るところで「会員」がありますよね。
スーパーもカフェもレストランも…さらにはネット上のサブスク、オンラインサロンなんかも会員の一種です。
会員制は顧客のデータを集めるのが目的です。
「月に何回利用している」とか「何を購入・課金している」とか場合によっては時間帯なども使えるデータかもしれません。
このようなデータからそれぞれ違ったアプローチを顧客にかけて、消費してもらうというのがねらいなのです。
この方法で成功したコストコも例に出ています。
この記事では「会員」の本当の狙いとその利用法がわかり、自身のお店で会員カードを導入したい人やオンラインサロンを開設したいと思っている人の助けになると思います。
ぜひ最後までご覧くださいね。
動画版もどうぞ↓
「会員制」についての誤解TOP3
94%の店主や社長などは会員制の理解がまちがえていると言います。
ではいったいどのような考え方がまちがえで、どのような考え方が正しいのでしょうか?
以下くわしく見ていきましょう。
1・会員は「顧客を逃さないため」と考える
こう考えている人が最も多いことでしょう。会員カードにチャージしたら消費者も逃げられないというように考えます。
もし逃げた(店に来なくなった)としても大丈夫です。チャージ分のお金は残りますから。
2・顧客とのコミュニケーション手段と考える
会員制になってもらうことで顧客との距離が縮まり、コミュニケーションをとりやすくなると考えます。
ではどのようにコミュニケーションを取るのでしょうか?
90%が「プロモーションやセールのときにメッセージを送る」と考えるでしょう。
3・キャッシュフローを生み出すためと考える
現金がなくなったら会員カードを発行すればキャッシュフローが生まれると考えます。
ある理髪店の店主はこう言います。
「今日はついてないな。お客さん全員が会員だったからキャッシュが入ってこないや。」
これらは一見すると、筋が通っているようですが、すべて顧客を利用しているという考え方ですね。
では、どのように「会員制」をとらえればよいのでしょうか?
くわしくみていきましょう。
会員制の本当の目的
会員カードを作ることで消費者の連絡先と消費頻度の情報を手に入れることができます。
しかしこれらの情報をどのように活用すればよいのでしょうか?
ある北京にある北京ダックのお店を例にとって見てみましょう。
会員情報はこうやって使うのです!
北京にある北京ダックのお店では「1元北京ダック」というキャンペーンをやりました。
たった1元(17円)で170元(3,000円)相当の北京ダックを食べられるというもので、必要な条件もありません。
この北京ダックの原価は40元(720円)ですから、これだけでは赤字になってしまいます。
いったいどのようにすれば利益が生まれるのでしょうか?
このお店には100万人以上の会員がいますが、その全員が「1元北京ダック」の案内を受け取ったわけではないのです。
キャンペーンの案内を配信する前に以下の3つの条件で選抜をしました。
条件1:1年以内に3回以上の来店がある会員
このような会員はお店を気に入ってくれている重要な顧客になります。
このキャンペーンの案内を送ることは本当の意味での「感謝の気持ち」になるわけです。
多くの店では来店が1度しかないのに「感謝の気持ち」としてセール情報やキャンペーン情報を送ったりしますが、これとはまったくことなっているのです。
場合によっては、来店したこともないのに「感謝の気持ち」と称していろいろなメッセージが送られてくることもありますね。
これではまったく特別な価値がないわけです。
条件2:半年間来店していない会員
このような会員は、これから先もう来店することのない顧客かもうすでに流れてしまった顧客ということになります。
なので、このキャンペーンの案内を送ることはお店と顧客のコネクションをもう一度構築することになるのです。
条件3:来店するときは毎回300元(5,400円)以上の注文をしてくれる会員
毎回300元(5,400円)以上の注文をするということは、毎回少なくとも4人以上で来ていることを意味します。
よってキャンペーンの案内を送って来てくれた場合、1元だけの北京ダックを注文することはないでしょう。
最終的にはこのように選んだ4万人の会員にキャンペーンの案内を配信しました。来店したのはそのうちの1万人で、それぞれ数人で来店したので、実質数万人が来店したことになったのです。
もちろん1元の北京ダックだけを注文したという人はいませんでした。
さらにその後3ヶ月の間に平均してそれぞれ2〜3回来店しました。
1度の1元北京ダックキャンペーンによって数万人のお客さんに何度も来店してもらうことに成功したわけです。
このように会員マーケティングは一般的なマーケティングに比べて、アプローチする範囲が狭いため、アプローチする顧客を消費行動によって分類し、特定のターゲットをしぼっていくのです。
そしてこれが成功率もリピート率もUPさせられる方法といえます。
Costco(コストコ)は会員の年会費で稼いでいる!
コストコは輸入費用と販売費用の差額で稼いできましたが、今では直接定価に近い値段で売り、代わりに会員年会費で収益を上げる方向にシフトしました。
このような企業は目標も明確で「会員数を増やす」というひとつに特化していると言えます。
中国に限らずアメリカでもオンラインショッピングの流行により実店舗型企業が大きなダメージを受けています。
たとえばアメリカ小売業のナンバー3と言われる“Sears”はここ10年で時価総額が96%減少し、“J.C.Penney”は株価が86%下落、さらに“marcy’s”は株価が55%下落しました。
このような逆風の中、会員費で利益を上げているコストコは時価総額が下落するどころか、ここ10年で1.7倍成長しているのです。
「会員制」を軸とした戦略は競争力があるということを証明した形となりました。
ここ10年のコストコの財務データによると主な収入源は2つあり、
1つは売上収入でもうひとつが会員費収入です。
そのなかで会員収入は純利益の75%前後を占めているのです。
コストコは会員になり、会員費を払わなければ中に入ることができない仕組みになっています。なので、店内のお客さんたちはすべて会員とその家族や友達ということになります。
そして、商品の価格は非常に安く、コスパが良いため会員費を払ってでも来店したいと思う人が多いのです。
コストコは売れ行きの悪いSKUを削除して人気が高かった、いわゆるバズった商品だけを残すようにしました。
(SKUとは商品を細かく分類して管理する方法。くわしくは→ヨーグルト販売から学ぶ中国マーケティング戦略!SKU管理とは?)
ムダな商品を削除することにより、商品を選択する時間とコストを大幅に削減することに成功し、消費者が最も気にする価格とサービスに集中することができました。
そして商品の売上で発生する利益は極力0になるようにし、すべてを会員の増加に回したのです。
その結果会員の更新率は90%に達し、毎年の増加率も7%で安定しています。
コストコのビジネスモデルを真似て成功した中国の会社
ある中国の会社はコストコの会員制ビジネスモデルを真似て成功しました。
アプリ上で商品を販売する形で、会員費を年99元(1,780円)としました。そして商品を集めるためにタオバオ(淘宝:táo bǎo)の売れ残りや在庫が余っていそうな大きい販売元に連絡をとったのです。
売れ残りや余った在庫をアプリ上で販売できますが、値段は非常に安く設定してもらいます。
しかし、すぐに原価の元が回収できるというメリットが提供側に生まれ、買う方は会員費がかかったとしても安く買い物できるということでWin-Winの関係が生まれるのです。
最初の1ヶ月で20万元(360万円)以上もの会員費を得る事ができました。
3ヶ月目には600万元(1億800万円)以上になりました。
このように会員制を「正確に」実行することでネットビジネスが盛んな今の時代でも勝てるビジネスモデルを構築できるのですね。
以下もう一歩進んだ理解のできる書籍を載せておきます。
さらに「会員制ビジネス」について知りたい方
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