今日は猫についての記事をご紹介します。
中国ではいま猫カフェが大ブームです!
ペットたちの短編動画を見て癒やされることが一大ブームになり、
自分ではペットを飼っていないけど
ペットの動画を見て癒やされたり、
気晴らしをすることを云吸宠:yún xī chǒngといいます。
(宠物:=ペット)
それが猫の場合は云吸猫:yún xī māo、犬の場合は云吸狗:yún xī gǒuですね。
そして今では見るだけでなく、猫と触れ合うことができる猫カフェが大ブームになっているのです。
猫喫茶が中国で大ブーム
中国では猫が大人気で、《2020年宠物行业白皮书:chǒng wù háng yè bái pí shū》というペット業界の報告書によるとペット猫の市場規模は884億元(約1兆6,000億円)にのぼり、2019年より13.3%の増加になりました。
そのうち、実店舗(オフライン)での消費規模は500億元(約9,000億円)もあるのです。
オンラインででかわいい猫ちゃん動画を楽しむ云吸猫:yún xī māoからオフラインで猫と触れ合う猫カフェへと人が流れているのです。
ネット上での消費が中心だったのが、次第に実店舗での消費に移行してきている証拠だともいえます。
猫カフェは中国語で“猫咖啡:māo kā fēi” や“猫咖:māo kā”と呼ぶのですが、最近では“撸猫馆:lū māo guǎn”と呼ばれることが多いですね。
“撸猫:lū māo”とは「猫をなでる」ということです。
ほかには“猫星球:māo xīng qiú”と呼ぶこともあります。これは「猫の星」という意味ですね。
さらにさらに、猫のことを猫星人:māo xīng rén、飼い主を铲屎官:chǎn shǐ guān(うんこ拾い)なんて呼ぶのも豆知識?ですか?
ちなみに、猫カフェは1998年に台湾で誕生し、その後2004年に日本で第一号店がオープンしたようです。
ちなみに世界でさいしょにできた猫カフェのなまえは“貓花園:māo huā yuán”です。
お客さんと猫ちゃんにサービス提供〜顧客満足度がさらにUP
猫カフェではお客さんにサービスを提供するのはもちろんですが、同時に猫ちゃんの面倒もみる必要がありますね。
清潔にすることはもちろん、一緒に遊んだり、寝たりしてお互いの信頼関係を構築していきます。
猫ちゃん良し!お客さん良し!さらにはお店のスタッフさん良し!とみんなが幸せになる形式なのですね。
ちょうど一つ前の記事が同じように三方良しの形態をとっている新潟県のとんとん市場という農業市場についてでした。
お客さんよし!生産者良し!市場よし!といった三方良しビジネスモデルは存続していける可能性が高いのですね。
さらに最近では“撸猫:lū māo”(猫ちゃんをなでなですること)の健康やメンタルへの良い効果が注目されているのです。
くわしく見てみましょう。
“撸猫:lū māo”(猫ちゃんをなでなですること)が健康にいい!
BBCのドキュメンタリー“Secret Life of Cats”の中で実験によって、猫ちゃんなでなでの効果が具体的に明らかになったと報告されました。
わたしたち人間が猫ちゃんをなでなですると、体内にリラックス酵素が放出され、これにより血圧が下がり、心拍数も減ると言われています。
猫と頻繁に触れ合うことは心臓病の発病率を下げることにもつながるのです。
猫カフェに来て猫ちゃんたちと触れ合っているお客さんたちは、日頃の悩みやストレスを癒やしてもらっているのですね。
猫喫茶のお客さんのほとんどはZ世代
ペット経済が発展していくにつれて、新消費者とよばれる若者(特にZ世代と呼ばれる1995年以降生まれの人たち)が主な消費者となって来ました。
Z世代が中心となり中国のペットブームがはじまったのでしたね。
また、消費に限らず、猫を繁殖させて販売するブリーダーとして猫舎を経営する若者も増加しています。
どうして若者たちがペット経済の主力消費者となっているのでしょうか?
すこし掘り下げて見てみましょう。
キーワードは「孤独感」
若者たちは家族の中、社会の中、会社や学校などさまざまな場所でストレスにさらされているのです。
例をあげるときりがないですが、いくつか列挙してみます。
・就職難に加え学歴社会で仕事が見つからない。
>>就職難にあえぐ中国のわかものたち
・性に関する悩みがあり、誰にも相談できずにいる。
>>中国の性教育
・コミュ障で人との交流に苦手意識がある。
>>中国でコミュ障の若者が増加中
・結婚したくなかったり、結婚したい相手がいないのに親や世間の目がきつい。
>>中国のわかものの結婚事情
こういったことに干渉せずに、完全に信頼してくれて一緒にいてくれて、温もりと癒やしを与えてくれるのはペットしかいないですよね。
そのなかでも猫ちゃんが選ばれているのには理由があるのでしょうか?
ちなみに、ボクの家の近くには柴犬カフェなるものがあります。
20匹くらいの柴犬ちゃんたちがいるのですが、行ってみて感じたのは猫カフェとはやはりちがいますね。
猫カフェの猫ちゃんたちは誰が触ってもじっとしていて、誰に対しても平等に甘えるような感じがあります。
犬はご主人には誠実であっても知らない人には警戒したり、べったり甘えるということは猫ほどないようにおもいました。
みなさんはどう思いますか?
猫喫茶に隠れる安全面の問題
このように猫カフェは若者を中心に人気があるわけですが、猫がお客さんを引っ掻いたりという問題はやはり存在します。
その他、密閉した空間にたくさんの猫がいるということで衛生的な問題も指摘されています。
猫から人に狂犬病や寄生虫が伝染することがあります。
狂犬病は猫にワクチンを打てば大丈夫だとされていますが、寄生虫や菌などについてはお客さんの免疫があるかどうかによるそうです。
それでも猫カフェは需要があり、新しく誕生する猫カフェも少なくないのです。
しかし、そのために競争が激しくなり、今まで通りのスタイルではお客さん、とくにZ世代のお客さんを満足させることは難しくなってきているのです。
猫カフェも「変化」が求められているのです。
以下で、具体的な作戦を見ていきましょう。
Z世代を満足させるために変化する猫喫茶
猫カフェの数が多くなるにつれて、それぞれが差別化をはかり、消費者を魅了する必要が出てきました。
主要なスタイルは《猫ちゃんとの触れ合い+コーヒー提供》ですが、新しいスタイルとしては
・猫ちゃんとの触れ合い+漢服コスプレ
・猫ちゃんとの触れ合い+展覧会(絵とか手作りアート展など)
・猫ちゃんとの触れ合い+脱出ゲーム
・猫ちゃんとの触れ合い+マーダーミステリー
というように若者にウケる内容を取り入れているのですね。
マーダーミステリーは以前も取り上げましたが、グループでやるシチュエーションボードゲームのようなもので、今や中国でトレンドですね。
そしてこのような猫を全面に押し出さない新しい娯楽スタイルが今後のトレンドになると予測されています。
さらにお店によっては猫ちゃんたちの状態をすべてデータにしているのです。
お客さんは猫についているQRコードをスキャンすると種類や年齢、健康状態やワクチン接種状況、さらには性格などの情報を見ることができるというところもあります。
エキゾチックアニマルカフェも!
さらに猫や犬だけでなく、トカゲやカエルなどの爬虫類やアルパカやハリネズミといった普段見かけないようなペットと触れ合えるカフェも登場しています。
消費者の好奇心をくすぐり、旅行などでも絶対に行っておきたいお店ランキングに選ばれたりもしています。
2019年8月には中国で第一号店としてオープンしたコールダックカフェには長蛇の列ができ、ちっちゃいカモをなでるために2時間並ぶという現象がおきました。
そしてネット上で有名になったのです。
こういった新感覚のスタイルも人々の心をつかむのですね。
ちなみに、筆者の住んでいる浙江省の町にはアライグマ喫茶なるものがありました。
ほかにも柴犬カフェもあります。
今回の内容については以下の動画でも解説しているので、ぜひご覧ください^^
では以上です。最後までありがとうございました!
「ちゃいなサプリ」のYouTubeでも中国語文法を1から解説しています。
無料ですのでぜひチェックしてね!
以上です。ありがとうございました。
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