こんにちは!ちゃいなサプリのYukiです。
中国ビジネス情報誌『商界』第692期に紹介された記事から紹介します。
「手術なし!一晩たったら視力がよくなってる!」
こんなうたい文句で日本でも知られるオルソケラトロジーって知っていますか?
オルソケラトロジー(Orthokeratology)は、特殊なカーブデザインが施されたハードコンタクトレンズを装用することで角膜形状を変形して矯正し、主に近視などの眼科的屈折異常を治療する角膜矯正療法。オルソは矯正、ケラトは角膜、ロジーは学問・療法を意味する。オルソケー(Ortho-K)、オルソKとも略され、レンズの名前からオルソレンズとも呼ばれる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/オルソケラトロジー
このオルソケラトロジーを知らない方のために、最後に参考書籍も載せておきます。日本でも今後大きく流行する可能性が高いので、これを読めば情報を先取りできます!
動画版はこちら↓↓
メガネはもういやだ!
中国では近視を表現するのにこんな言葉があります。
「10m離れりゃ親戚の顔もわからず、50m離れりゃ男女の区別がつかず、100mになったら人と動物すら見分けられない。」
そして筆者はさらにこう続けます。
「メガネをかけなけりゃそこはモザイクの世界。
メガネを忘れた日にゃ人からは冷たい奴だと思われるし、メガネをかけりゃ火锅:huǒ guō食べたときにメガネが全部くもる。
そして汗をかいたら鼻の上でメガネが踊り出しやがる…」
世界一の近視大国
中国は近視人口7億人で世界一の近視大国になりました。そのうち未成年者の発症率は53.6%。
さらに「高考:gāo kǎo」という大学受験を経た大学生たちはなんと90%以上が近視という報告も
そしてこの多数の近視人口がメガネ業界やコンタクトレンズ業界を成立させたのは言うまでもありませんが、さらに矯正視力市場なるものも発展させました。
たとえばレーシック手術や視力回復眼球体操、Atropine Eye Dropsと呼ばれる子供用の目薬、アイマスクなどさまざまな視力矯正法が出てきました。
しかし最も注目を集めているのが「角膜形状矯正レンズ」です。これは通称「オルソケラトロジー」と呼ばれています。ちなみに中国語では“OK镜:jìng”
通気性のあるコンタクトレンズのようなもので、寝ているときにつけて角膜の形状を矯正するという、手術をしないで視力を回復させようというものですね。
子どもたちはどうして近視になるのか?
眼科医によると男女ともに近視になる原因は、
- 遺伝
- 眼球体操の欠如
- 電子機器の影響
この他に、勉強のストレスによるものも大きいといいます。
中国では教育に厳しい親も多く、幼稚園や小学生の子供に9つもの習い事をさせる人も珍しくないのです。
最近流行っているネット用語ではこんなものがあります。
オルソケラトロジー
コロナ禍によりこういった習い事や学校がネット授業に移行したことにより、近視になる子も増加しています。
まだ眼部が未発達の子にレーシック手術はできないということから、手術なしでOKの「オルソケラトロジー」を選択する親が増えているのです。
今では、親たちに限らず、若者や芸能人たちもこの「オルソケラトロジー」を選択して視力を改善しようとする人たちが増えているといいます。
日本でも厚生労働省承認のレンズを使用した治療が広まってきたり、今では世界中で使われている治療法なのです。
コンタクトレンズとの違いはこんな感じです↓
かかる費用は?
値段も生産地によりまちまちで
中国国産:6000〜1万元(10〜17万円)
輸入品 :1万〜2万元 (17〜34万円)
またこのオルソレンズの寿命は1〜2年とされています。
レンズをつけはじめた最初の3ヶ月では経過観察も含め少なくとも5回の検査が必要になります。3ヶ月後もやはり定期的検査は欠かせません。
同時に、このレンズ本体に水分は含まれていないため、専用の目薬も欠かすことができません。
この目薬の多くの種類があり、一般的には19〜80元(320〜1360円)ですが、親御さんたちはドイツ製の10ml71元(1200円)のものを買うことが多いようです。
かかる費用はこれだけではないようです。他にはだいたい
- 洗浄液:140元(2,400円)/月
- タンパク質除去液:25元(425円)/週
本体や検査費を除いて、毎月400元(6,800円)/月前後の出費があると言います。
ここからも分かる通り、眼科は多くの富を築けるということでこんな言葉もあります。
“金眼科,银外科:jīn yǎn kē ,yín wài kē(眼科は金、外科は銀)”
中国では三人っ子政策も出され、子供の人口が増えればさらに市場は拡大することでしょう。
≫中国「三人っ子政策」スタート!一人っ子政策からの歴史も解説!
中国でオルソレンズ市場が急成長中!
中国で最初のオルソレンズは2000年「欧普康视:ōu pǔ kāng shì」という会社のものです。
この会社は2017年に上場し、市場価値は16億元(270億円)から600億元(1兆200億円)までなんと38倍も爆増したのです。
毎年の利益率はどれも70%を越えているのです。これは茅台:máo táiという高級な白酒:bái jiǔの会社の利益率と肩を並べると報道されました。
2020年のオルソレンズの販売量は200万個で、業界の成長やレンズの浸透状況からみてこの先5年で市場規模は1702億元(3兆9000億円)まで成長する可能性があると見られています。
筆者はこう言います。
「学校と父兄は視力健康向上を学校の授業の中に組み入れて、その分余った時間を子供に返してあげて欲しい。
子どもたちを大自然の中に飛び込ませて、電子機器から遠ざける。
『瞳は心の窓』なんて言うけれど、この『窓』をいつまでも汚染しないであげてと願うばかりだ。」
オルソケラトロジーをさらに理解する3冊!
オルソケラトロジーが中国で爆発的ヒットしているということは、日本にもその波がやってくると予測できます。
これを機によく理解しておくことが勝てるビジネスパーソンになれるかなれないかの別れ道になるでしょう。
おすすめの3冊をご紹介します。
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