こんにちは!ちゃいなサプリのYukiです。
中国ビジネス情報誌『销售与市场』第711期に紹介された記事から【減塩トレンド】について紹介します。
砂糖控えめブーム
中国では砂糖を控えめor未使用で健康的であることをうたった商品がヒットしました。
エリスリトールというトウモロコシ由来の自然甘味料を使用することで、糖分・脂肪・カロリー0なのに「甘い」という炭酸飲料水”元气森林:yuán qì sēn lín”
>>中国のトップブランド!新感覚の炭酸飲料『元気森林』コーラよりおいしいと評判!
イヌリンと呼ばれる植物由来の甘い食物繊維を代用して砂糖を一切使わないチョコレート“每日黑巧:měi rì hēi qiǎo”
>>中国のチョコレートマーケティング戦略!後発のブラックチョコレート会社が成功した理由は〇〇!
また、砂糖も甘味料も一切使わず、甘くないヨーグルトを妊婦さんや幼児向けに販売して大成功を収めた“简爱:jiǎn ài”
>>ヨーグルト販売から学ぶ中国マーケティング戦略!SKU管理とは?
このように、中国では砂糖を控えめまたは未使用の健康志向である商品がトレンドでした。
動画版もあわせてご覧いただくと理解度爆発です!
新トレンドは「減塩」
そして、新たなトレンドとして「減塩」が出てきました。健康志向が消費者の中でも高まっていますから、「塩分控えめ」はビジネスチャンスでもあるのです。
また小見出しではおもしろいシャレも出ていました。
远离“高盐值”,拥有“高颜值”:yuǎn lí “gāo yán zhí ”,yōng yǒu “gāo yán zhí ”
(「高塩分」から遠ざかれば、「高顔面偏差値」がゲットできる!)
盐值:yán zhí(塩分量)颜值:yán zhí(顔面偏差値)が同じ発音であることから作られた上手なシャレですね。
中国の人を接待するときなど、このような気の利いたシャレがすっと出てくれば一目置かれること間違いなしでしょう!
※「盐值」は記事筆者の造語
またこんな統計もあります。95后:jiǔ wǔ hòu(1995以降生まれ)の家庭では、85后:bā wǔ hòu(1985年以降生まれ)の家庭より1日に摂取する塩分量が3g少ないそうです。
その95后のうち、30%が薄盐生抽:báo yán shēng chōuと呼ばれる、塩分控えめの醤油を食塩の代わりとして使っているのです。
この95后など若者は中国ビジネスのキーワードでしたね。
>>寝そべり主義?躺平主義?2022年の中国の若者―中国ビジネスのキーワードは「若者」
そして、この世代が中国で“新一代消费者:xīn yī dài xiāo fèi zhě”と呼ばれる新たな消費行動をみせる消費者層でしたね。
>>アラサー独身が中国で急増中!その数なんと3億人(日本の人口の2倍以上)理由は〇〇!
この世代が今後のビジネスの流れを決定していくのです。そして彼らが「減塩」を選択する主な理由として健康への配慮が挙げられています。
塩分過多は高血圧や心臓病、胃癌のリスクを高めます。また、“中国居民膳食指南:zhōng guó jū mín shàn shí zhǐ nán”によると、成人が1日に摂取する塩分量は6gを超えるべきではないとされています。
しかし、食生活や習慣の変化から中国は今や世界で最も塩分摂取量の多い国のひとつに数えられるようになってしまいました。平均の摂取量は10.5g/日で、推薦されている量の2倍以上です。
若者の健康志向
最近の若者の健康志向を表すネット用語でこんなものがあります。
“朋克养生:péng kè yǎng shēng”
意味は、自分でやった自業自得なことに対して自分なりに解決しようとするということでしょうか。
たとえば
“吃火锅怕上火,吃冰激凌降温:chī huǒ guō pà shàng huǒ ,chī bīng jī líng jiàng wēn”
火鍋を食べたけど、上火(漢方の考え方で熱が溜まって唇が切れたり、便秘になったりすること)が心配だから、アイスクリームを食べて熱冷まし!
ということですね。アイスを食べるというのがオチで、これも結局は言い訳にすぎないという感じですね。
今の若い子は自分の外見にも気を使います。
「夜にしょっぱいものを食べて、水をたくさん飲んだら、翌日顔がむくむ」などと言われたり、
塩分の摂りすぎると皮膚によくなかったり、身体が水ぶくれみたいになったり、
見た目もどんどん悪くなっていくという科学研究結果などがネット上で話題になったことも減塩を加速させた理由のひとつです。
SNSの影響
SNS上で有名人やインフルエンサーが健康的な飲食習慣をUPしていることに影響された若者も多いといいます。
ある深センのお医者さんはハッシュタグで#一天5g盐大挑战#:yī tiān wǔ kè yán dà tiāo zhàn(一日塩分5gの挑戦)という発信をして、多くの若者がこの1日塩分5gに挑戦しました。
このようにSNSで影響力のある人たちが発信するというのはマーケティングでも頻繁に行われる方法でしたね。
>>【中国のWebマーケティング】使われるSNSは〇〇!”两微一抖一手一书”(全部で5個あります。)
国家の計画
また、国も減塩を推奨し、普及しています。《国民营养计划:guó mín yíng yǎng jì huà(2017~2030)》(国民栄養計画)では2030年までに全国民が1日に摂取する塩分量を20%削減させるという目標をかかげています。
このように自分の意志・SNSの影響・国家の計画の3つの力で中国の「減塩」は推し進められているのです。
そこにいち早く目をつけたビジネスマンたちは減塩でビジネスチャンスを獲得しようとがんばっていると筆者は言っています。
肉製品の塩分
肉製品はもともとの塩分含有量が高く、燻製・味付けの過程で塩分添加をさけることはできません。今のところこういった製品の減塩方法は4つあります。
1・食塩ではなく、カリ岩塩やマグネシウム塩といったものを代用する。欠点は金属的な味が出てしまったりして、企業や消費者から受け入れてもらえない。
2・風味増強剤を使って、減塩で損なわれた風味を補う。これは肉製品ではよく使われる方法で、企業は実現しやすく、受け入れやすい方法であると言える。
3・塩の物理状態を向上化させ、減塩でもたらされる構造の変化や味覚への影響を改善させる。
4・高圧技術など技術面で減塩を実現させる。
肉製品では消費者は「減塩」や「低脂肪」を求めると同時に「風味の新しさ」も追求しているため、レモン味やサンザシ味など独特な風味の肉製品が市場に登場しているのです。
しょっぱい系お菓子の塩分
お菓子も若者には人気ですよね。2018年には発売されたしょっぱい系お菓子の量は中国が世界一でした。
大人気のしょっぱいお菓子も、塩分含有量は少なくないのです。
140gのポテトチップスの中には平均7.4gの塩が含まれているのです。これは一日の推薦摂取量を越えています。
「減塩」は高い
調味料にしても、肉製品やお菓子類にしても価格は減塩の方が高くなってしまうのです。
醤油を例に見てみましょう。
一般的なものは5〜10元(85〜170円)ですが、減塩醤油は10元以上で中には数十元するものもあります。
これは減塩でも風味を落とさないためには技術や代用添加物が必要で、そのために費用がかかってしまうのです。
「減塩」の中にビジネスチャンスはありますが、ただ塩分量を減らしただけでは売れないのです。風味を維持する技術と「顧客の教育」も必要になってくるのです。
>>売上20倍の秘密は「顧客教育」マーケティング!
日本の減塩を参考に
ここでは日本のことも例に出ています。日本の食品・飲料企業は成分の改善を絶え間なく行い、20以上の低塩分・減塩商品を打ち出してきて、2020年には減塩醤油の売上は5年前の50%も増加したと紹介されています。
日本でも「減塩をはじめたばかりの人のための調味料セット」なるものが人気のようです。
これを機に口にするあらゆるものの塩分を考えてみませんか?
そして健康な身体と顔面高偏差値を手に入れましょう!
★中国語を勉強中の人へ
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最後までご覧くださりありがとうございました!
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