こんにちは!中国在住10年以上、中国人妻と国際結婚した日本人Yukiです。
今日は中国の情報誌『商界』(第688期)で紹介された中国ビジネスのブルーオーシャンを紹介します。
それは何かといいますと、「羊奶:yáng nǎi」
なんだかわかりますか?
ではヒント!
「牛奶:niú nǎi」=牛乳
これでもうわかりましたね? え?まだわからない?
では正解!
羊奶=羊ミルク ですね!
シープミルクとか羊乳(ようにゅう)とも呼ぶようです。
羊ミルクの牛マーケット?
この記事の表題もまたおもしろいです。
羊奶的“牛市” ~你哪怕只抓住1%的人,也能创造出一个巨大的市场~
まず羊奶的“牛市”(yáng nǎi de “niú shì”)とはどういう意味でしょうか?羊と牛?
牛市とは英語から来た言葉で“Bull Market“相場が上がっている市場のことをいいます。投資の世界で使われている言葉ですね。
ちなみに、その逆の相場が下がっている市場は“Bear Matket“と言います。熊市ですね。
副題の”你哪怕只抓住1%的人,也能创造出一个巨大的市场“(nǐ nǎ pà zhī zhuā zhù 1%de rén ,yě néng chuàng zào chū yī gè jù dà de shì chǎng)とは
「たとえ1%の市場にしかリーチできなかったとしても巨大なマーケットを創造することができるのだ!」ということです。
新生児の3%がお客さん?
新生児の3%が牛乳アレルギーがあるもので、その3%の新生児は牛乳由来の乳製品が全てダメですからその代替品を探す必要があるわけです!
そこでこの羊ミルクの出番!
中国では毎年約1,000万人の新生児が誕生しています。ということは、その3%である約30万人がターゲットになるのです。
でもどうして羊ミルクなの?
では牛乳の代替品として羊ミルクが選ばれる理由は何なのでしょうか?
羊ミルクの特徴
・カルシウムが1.5倍
・成分がより母乳に近い
・タンパク質が牛乳の8倍
・アレルギーになりにくい
・消化吸収に優れている(牛乳より分子が小さい)
さらに新生児の3%が牛乳アレルギーのため、羊ミルク市場は毎年30%ずつ成長中
ー情報誌『商界』より
牛乳に比べてメリットが多いことがわかります。
子供が口にするものは細心の注意を払うものですよね、それで牛乳アレルギーではない子にも羊ミルクを与える家庭が増える可能性も高そうです。
ペットも牛乳は良くないですが、羊ミルクは最適だとされています。
うちの愛犬cocoも羊ミルクが大好きです!
4+2+1家庭 4+2がお金を払う?
他にも新生児にターゲットを絞る理由はあるのでしょうか?
中国では「4+2+1逆三角形家庭」という呼び方があります。なんだかわかりますか?
4:祖父母(父方と母方)
2:両親
1:子供
ということですね!そして、子供のためにお金を使うのは4+2で6あると。
つまりは、子供のためにお金を惜しまず使う層が多いということで、子供の商品は売れやすいということです。
さらに上に挙げた、羊ミルクの健康面でのメリットを大きくアピールすることで購入に拍車をかけるというわけです。
さらに2021年5月29日より三人っ子政策も始まりました。
これで人口が増えるかどうかはわかりませんが、増えれば羊ミルクの売上増加の可能性もありますね!
くわしくは:中国「三人っ子政策」スタート!一人っ子政策からの歴史も解説!
将来的なビジネス成長の見込みは?
中国の生活水準の向上や消費力の向上に伴い羊ミルクの売上も増加傾向にあります。
生産量は毎年25%ずつ増加していて、成長規模は毎年30%継続的に上がっているのです。
将来的な見込みは、この先8年、2029年には1000億元(約1兆7千万円)に達すると予測されています。
赤ちゃん用ミルクも国産の需要が上がってきています。ここにもチャンスを見いだせる可能性は大です。
売上20倍の秘密は「顧客教育」マーケティング!大成功した中国の粉ミルク会社から学ぶマーケティング
ミルクの中の貴族
羊乳製品のライバルは牛です。しかし、牛乳由来の乳製品はかなりの種類がありすでにレッドオーシャンであることは明確ですね。
世界的に見ても羊の飼育数は牛やヤギに遠く及ばず、乳製品の生産量に至っては世界の乳製品生産量の1%を占める程度です。
この希少性も会って、羊ミルクの価格は高く設定され、西洋では「ミルクの中の貴族」と称されるほどです。
中国での羊ミルクの価格帯は?
中国でもその希少性ゆえ、価格を安く抑えることはまだ困難であります。
中国国内で登録されている93種類の羊粉ミルクの価格帯は約300元(5000円)〜400元(7000円)
そのうち、20%が400元以上だという統計が発表されています。
300元を下回ると、生産元も卸売店も販売店も利益にならない状態で、現在は価格を下げる努力がなされているとのこと。
ヨーロッパの牧場を買収?
羊粉ミルク企業は価格を下げ、生産量を上げるべく羊ミルク企業の買収や牧場の買収を着々と進めています。
特に注目されているのがヨーロッパの良質な牧場。これこそがライバル企業の羊ミルク供給源をコントロールする近道だとされています。
これから先の展望は?
粉ミルク業界にはこんな言葉があります。
“谁能在母乳研究上先行一步,就能打破目前市场格局之困。”(shuí néng zài mǔ rǔ yán jiū shàng xiān háng yī bù ,jiù néng dǎ pò mù qián shì chǎng gé jú zhī kùn)
―母乳研究において先を行ける者は、現在の市場構造の困難を打ち破ることができる。
よって、羊乳製品はまずキーとなり、着手しやすい赤ちゃん製品、つまりは粉ミルク市場から出発しました。
このさき新たな分野にも手を広げる空間があり、ビジネス的可能性に満ちています。
しかし同時に羊ミルクはまだ認識も浅く、牛乳製品に比べればまだまだ一般大衆に受け入れられるには時間がかかる上、大衆が羊ミルクを飲む習慣もつける必要があるわけです。
羊ミルク企業もそのことには気がついていて、このまま粉ミルクだけを扱っていては牛乳製品のように大衆に受け入れられる製品になることはないと。
オランダの粉ミルク企業Kabritaではすでに羊粉ミルクから成人用品にまで市場を拡大しています。
★羊ミルクは日本でも買える?
さて、中国のブルーオーシャンである「羊ミルク」について見てきました。
筆者も羊ミルク製品を体験してみたく色々調べた結果、日本でも手に入ることがわかりました!羊乳チーズが日本では売られています。
一番おすすめの数種類をご紹介してこの記事を終わりたいと思います。
先を行くビジネスマンとして、ぜひともこの機会に羊ミルクを体験しておきたいものですね!
さぁ今が自己投資の時です!
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動画版もありますので、こちらも見ていただけると嬉しいです↓↓↓
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