こんにちは!ちゃいなサプリのYukiです。
大人のおもちゃが売れ行き好調の中国より、アダルトグッズから学べる中国式マーケティングを中国ビジネス情報誌『商界』第686期に紹介された記事から紹介します。
中国のお硬いビジネス誌にアダルト系の記事が載るとは思ってもいませんでしたが、やはりビジネス雑誌だけあって、商品紹介というわけではなくそのマーケティング方法を紹介してくれています。
概要はこんな感じです↓↓
アダルト用品業界
市場再構成のこの時代、存在するビジネスはすべてもう一度やる価値があると言われています。
これは中国の起業家たちの心にふつふつと湧き上がっている期待であり、入れ替わりの激しいビジネス世界において尽きることのない原動力であると言います。
このことを念頭において、アダルト用品(中国語では成人用品:chéng rén yòng pǐn)の小売業界を見てみると、そこにはまだまだ多くのチャンスが転がっています。
中国のアダルト用品店の市場規模
中国で最初にできたアダルト用品店は「亚当夏娃:yà dāng xià wá」という名のお店でした。
1993年に開店して以来、社会概念の変化や消費水準の向上によってアダルト用品市場もさらなる可能性を見いだせるようになったと言います。
2020年には市場規模が1000億元(1兆7000億円)にまで成長して、アダルト用品の ネット上での取引取引は600億元(1兆200億円)にのぼります。
ということはその差額の400〜500億元(6800〜8500億円)がネット上ではない実店舗などの市場ということになりますね。
それら実店舗は隠れた小さな空間に商品が並べられているというものがほとんどです。商品もクオリティーがまちまちで、いいモノと悪いモノが入り混じった状態であると言います。
利益率が高く、初期投資も安く済み、参入ハードルが低いことがアダルト用品店開業に多くの人を引きつけた理由です。
しかしながら、ネットで検索してみるとアダルト商品業界に投資して痛い目を見た人たちの泣き言であふれているのがわかります。
この業界はフランチャイズ方式になっていて利益の大半をもっていかれるという、いわばそういったビジネス方式の被害地区なのだと筆者は言います。
そのため、1000億元(1兆7,000億円)もの市場規模でありながらこれといった有名所が出現しないという矛盾に陥っているのです。
2018年「アダルトグッズ小売業をもう一度」というスローガンのもと、若い人たちがチームを組んで「爱心动:ài xīn dòng」 という会社を設立しました。
彼らはアダルトグッズの场景化消费:chǎng jǐng huà xiāo fèi(買い手がその商品を欲するであろう一定の状況を作り出し、マーケティングを行うこと)で買い手にとっての悩みや不満点(ペインポイント)を解決するだけでなく、長期継続を目標にマーケットを再構築したいと言っています。
爱心动の公式HPにはこう書いてあります。
この世界で、大多数の人が欲しがっているが、実際に手に入れようとする人は少数だ。
合理的にアダルト余品を使うことにより、夫婦の幸福指数を高めることができる。
http://www.xingjiusheng.com/aixindong.html
また、女性の生理的・心理的安全を保護する。
同時に両性の生理的欲求を満たし、効果的に都会の各方面のストレス発散・犯罪率低下・社会秩序安定を実現することができる。
「若者」が今の中国ビジネスを動かすキーワードでしたね。
>>中国のイマドキの若者「横たわり族」?「無一代」?これからの取引相手はこの世代!
ユーザーとの新たな結びつき♥
アダルト用品の小売は「ユーザーの需要」→「販売形態の変化」という形があります。
「買うときの抵抗を減らしてほしい」→「店舗に店主がいたものが今では無人自動販売機に変化。」
「必要なときにすぐに手に入れたい」→「ホテルが一番の合理的な販売場所へ」
そしてアダルトグッズの自動販売機をホテルの部屋に持ち込んでユーザーとの距離を縮めた人もいます。
この2つは一見正しい方向に向かっているようにですが、結局は根本的な利益拡大にはなりませんでした。
原因:
- 自動販売機をメンテナンスする人がいない
- 利用率が低い
- リピーターの低下
- 商品の入れ替えが遅い など
論理的に考えてみると、無人自動販売機は買うときの気まずさを大幅に軽減できるし、ホテルの部屋に設置しておけば欲しいときに手に入れることも可能です。
しかし、多くの会社は自動販売機は購入したものの、ホテルに設置したらあとは放置プレイ。管理もしないわけですね。
さらにホテルに泊まるのはカップルだけではないということを忘れています。
同僚だったり、家族や友達だったりもするわけで、その場合、アダルトグッズ自動販売機は大いに宿泊客を困惑させることになるのです。
こういったことが自動販売機の平均利用率を大幅に下げていたのです。
アダルト用品業界の将来性
ホテル業界に10年以上身を置いていた陈洁:chén jiéは、アダルト用品業界にはまだ掘り起こされていない領域と市場があり、将来性が期待できることを発見したのです。
消費者の需要は高まっているのに、うまく供給されておらず、顧客の要求を満足できていないことを受け、彼はアダルト用品小売ブランドとして「爱心动:ài xīn dòng」を創立するに至ったのです。
今までの矛盾点を改善し、各ホテルの10〜20部屋にだけ販売機を設置することにしました。部屋はネット予約サイトとのコラボで予約制にして、部屋の内部もロマンチックでカップル向きな雰囲気にしました。
販売機を目にする顧客は理想的なターゲットになり、今までのランダムに投下して必要としているい人に偶然見つけてもらうという方式をやめた。
これによって、販売機利用率と販売数が大幅にUPしたと同時に、子供の目につくという問題も解決された。
さらにホテル側とWin-Winの関係を作ることにも成功しました。ホテルはお金を出すことなく、販売機の設置を許可するだけで、利益の分配を受けることができ、その部屋は割増価格で提供できる。
結果的にはホテルの利用者も増えたといいます。
数字でみるアダルト用品販売機
「爱心动:ài xīn dòng」の創業者陈洁:chén jiéによると、すでに設置した1万台を超える販売機の統計データは
- 商品の総合利益率:512%
- 最高売値:原価の15倍
- 販売機ひとつの利益率:95%
- 設置都市:20以上
- 設置ホテル:1000軒以上
- 設置販売機数:1万台以上
となり、業界で一人勝ち状態だといいます。
2021年3月にはC轮融资:lún róng zī(Aから始まり、Cは第3回目に受ける融資のことで、このあとは上場するのが一般的)を受けると同時に、今年中にさらに10万台の販売機設置を発表しました。
中国の主要都市に浸透させる作戦です。
今は協力してくれるホテルのパートナーを募集中とのこと。パートナーは投資額を回収できた後、設置した機械が生んだ利益の70%を分前としてもらえるのです。
陈洁:chén jiéは長いことホテル業にたずさわってきて、アダルト用品が社会秩序を見出したり、または人を傷つけたりするということがないことは熟知していると言います。
そして彼は、アダルト用品業界をもっと興味深いものにしたいと語っています。
日本のアダルトグッズも注目されています。メイドインジャパンは高性能で、値段も高いです。日本で購入するには割安ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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