中国のオンラインゲームが世界でバズり中!ゲーム禁止になった中国のゲーム業界の戦略

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こんにちは!ちゃいなサプリのYuki(@YukiHiroi)です。

中国ビジネス情報誌『第一财经』第567期に紹介された記事から紹介します。

注目の中国ゲーム会社

中国発のゲームが今世界で注目されています。数あるゲーム会社の中で、今後の活躍を最も注目されていて本誌でも取り上げられたのが“三七互娱:sān qī hù yú”(37Games)という会社です。

2020中国游戏产业报告:zhōng guó yóu xì chǎn yè bào gào》というゲーム産業の報告書によると2020年ー2021年の1年間において、中国が独自に制作したゲームの海外市場での売上は約154.5億ドル(1兆7,300億円)に達し、33.25%の成長でした。(2019年ー2020年は20%の成長)また海外市場でのキャッシュフローは約5億元(85億円)/月まで上りました。

さらに報告書の中では進出地域も報告されています。香港・台湾・マカオ東南アジア地区を中心として世界各国に徐々に広がっていき、アメリカ・日本・韓国、さらにはヨーロッパなどの成熟した市場での普及に力を入れていると同時に、中東インド・ロシア・ブラジルなどの新興市場での普及を模索しているところだと言います。

60日で55億円越え!

2014年に発表した“大天使之剑:dà tiān shǐ zhī jiàn”というゲームは登場からわずか60日で約3.2億元(55.5億円)のキャッシュフローを獲得しました。さらに中国国内で最優秀オンラインゲーム賞を獲得しました。これにより会社の評判も高まったのです。

大天使之剑

これは中国国内市場だけをターゲットにしていましたが、このとき海外進出も考えるようになりました。
中国の伝統文化をテーマとした内容のゲームを海外に送り出したい。」という願いがあったのです。

日本発の歴史ゲームでは日本の戦国時代と中国の三国志時代が人気ですよね。中国のゲームも日本のゲームのようなキャラクターですよね。これはマーケティングやブランディングでも使われますね。“为日系:wéi rì xì”と呼ばれる「偽日本風」というものです。くわしくは↓の記事で!
中国のマーケティング失敗例―「偽日本風マーケティング」とは?「日本」はリスクにもなりうる

まず出したのが三国志が題材の“龙将:lóng jiāng”というゲームと

龙将

中国の戦国時代が題材の“秦美人:qín měi rén”というゲームで、中国国内ではまずまず好評だったといいます。

秦美人

中国ビジネスでは若者がキーワードでしたから、若者をターゲットにすれば成功しやすいといわれています。トレンドを作るのは若者ですからね。
くわしくは→2021年の中国の若者―寝そべり主義?躺平主義?中国ビジネスのキーワードは「若者」

4G普及がターニングポイント

2015年がひとつのターニングポイントでした。このとき4Gが中国でも普及し、オンラインゲームもそれに伴って発展することができたからです。

そしてこの会社は中国では市場独占率16.7%を占めるほど大きくなっていました。そして、代表作となるオンラインゲーム“永恒纪元:yǒng héng jì yuán”(Aion: The Tower of Eternity)が2016年に発表されました。これはiOSでのダウンロード数第2位を獲得して、最高キャッシュフロー約3億元(51億円)/月を達成したのです。

これを機に海外市場進出にも力を入れ始めました。

永恒纪元

海外進出

海外進出にあたり気がついたのは、中国国内と海外では好まれるゲームも国や地域によってまったく違うということでした。

中国国内で人気が高かったゲームを国ごとにすこしアレンジして発表していったところ、アジアの市場ではそれほど大きな障害はなかったといいます。しかし、日本市場では人気が出ませんでした。
それでも2016年年末は1ヶ月のキャッシュフローが1億元(17億円)を突破しました。

欧米市場での失敗

欧米市場に発表したときは予想に反して、全く成果が出ませんでした。最高月のキャッシュフローでさえ、たったの100万ドル(1億円)程度だったのです。アジア市場では成功を収めたのだからゲームのクオリティーが低いというわけではないと筆者は分析しました。

ただ欧米市場ではこのようなMMORPGMassively Multiplayer Online Role-Playing Game)と呼ばれる「大規模多人数同時参加型オンラインRPG」はあまり受け入れられないということがわかりました。

創業者はこう決心します。
グローバル化を達成させるためには、その国にあわせてそれぞれの対策を講じて、日本とアメリカの市場を制覇しなければならない。

このために2018年に「商品の多元化」と「運営の細密化」の2つの大きな柱をたてました。そして、CPと呼ばれる社債のようなものを発行し、資金調達を開始しました。

CPとは何でしょうか?

コマーシャル・ペーパー(CP)とは、企業が短期で資金調達するための、無担保の約束手形のこと。企業が直接金融で資金調達するという点では、社債と性格は同じである。社債の償還期間は通常1年以上で、有価証券取引法上の有価証券として規定される。一方、CPの償還期間は通常1年未満で、30日以内のものが多い。また、有価証券ではなくいわゆる手形なので、社債が証券会社で扱われるのに対して、CPは銀行等でも扱われる。

グロービス経営大学院https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-11796.html

「パズル&サバイバル」がバズる

CPで資金調達をして、ゲーム開発・題材・プレイ法などを専門家を招いて研究し、翻訳作業も行いグローバル化を加速させました。これにより、海外進出を果たした中国産のゲームの中でこの会社の販売額が40〜50%を占めるまでになりました。

海外市場を狙うには、国内とは別途対策していくということが重要だと創業者はいいます。

そのいい例は日本でもヒットしたシミュレーションゲーム「パズル&サバイバル」(puzzles & survival)です。

パズル&サバイバル

このゲームは体験型であるシミュレーションゲームとパズルゲームを合体させた感じで、これが世界のプレイヤーたちの好みに合ったのです。

日本とアメリカでもキャラクターゲーム類と策略ゲーム類の分野でダウンロード数Top10に長期間ランクインしました。

パズル&サバイバル

日本向けに2作品制作

さらに日本のプレイヤーたちの好みを研究し、経営シミュレーションゲームの制作に重点を置きました。お店を運営したり、町を作ったり、農場経営したりといったゲームで日本で流行っていることを受け、2つのゲームを制作しました。

それは”江山美人:jiāng shān měi rén”と“叫我大掌柜:jiào wǒ dà zhǎng guì”

叫我大掌柜

これらも日本ではまずまずの結果で、日本市場での月のキャッシュフローは2000万ドル(約22億円)を突破しました。

グローバル化

この“三七互娱:sān qī hù yú”(37Games)のグローバル化は進み、すでに200の国と地域に進出していて、言語も英語・日本語・韓国語・ドイツ語・フランス語・ロシア語・スペイン語・ポルトガル語・ベトナム語・タイ語などの14種類に及びます。

海外業務部門も発行と運営に関わるスタッフだけで400人を越えます。
更に5Gの時代が到来すれば新たな領域で発展できると期待されています。

世界でヒットするゲームが発表されるようになった中国のゲーム業界ですが、2021年8月30日に中国政府はゲームのプレイ時間を厳しく制限しました。

〈18歳未満の未成年者は月曜日〜木曜日までのプレイは一律禁止。金曜日と土日祝日に限り、夜8時〜9時までの1時間だけ許可。〉

この決められた時間以外はログインができなくなるのです。

妻のスマホにあるパズルゲームでたまに遊んでいたのですが、それも急にログインできなくなりました。実名登録すればOKなのですが、登録したくなかったので削除してしまったのですが、1日であっという間に変わってしまうのですね…。

他には子どもたちが両親のIDは使えないからといって、おじいちゃんやおばあちゃんのIDを使ってログインする子も多く、銃撃戦のバトルゲームなんかでは「夜中の3時に80歳のおばあちゃんや70歳のおじいちゃんたちが打ち合ってる。あの85歳のばあちゃんは最強だ!」などと笑い事のように言われています。

これにより、今後どのような制裁があるかわかりませんから、中国のゲーム業界は海外向けの製品作りにさらに力を入れ始めるのではと言われています。
これからもおもしろいゲームが登場してくるかもしれませんね。

さらに理解を深めたい方は中国ゲーム産業史 (ビジネスファミ通)を読んでみてください。

最後までご覧くださりありがとうございました!

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