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「PUA」が中国で注目されている!異性を騙して自殺に追い込むナンパ師や職場でのパワハラを指す言葉

こんにちは!ちゃいなサプリのYuki(@YukiHiroi)です。

中国ビジネス情報誌『新周刊』第578期に紹介された記事から紹介します。

みなさんは「PUA」という言葉を聞いたことがありますか?
これは”Pick-up Artist”(ナンパ師)のことで、もともとはアメリカで使われていて、さらに韓国→中国という順で今では中国でもよく使われるようになりました。

ネガティブな意味で使われ、マインドコントロールして異性を騙す(多くは男性が女性を騙す)とか相手を洗脳するなどの意味で使われ”爱情骗子:ài qíng piàn zǐ”「愛の詐欺師」と言われることもあります。そしてこのPUAは最悪の場合、被害者を自殺に追い込むとされています。

さらに職場でのPUAも存在します。以下、くわしく見ていきましょう。

動画版もあわせてどうぞ!

北京大学の女子学生自殺事件

2019年10月9日に当時北京大学法学部の3年生だった女子学生がホテルで服毒自殺をしたのがきっかけでこのPUAはという言葉が注目されるようになりました。自殺の原因が彼氏によるPUAであったからです。

ことの流れはこうです。


2018年5月に二人は交際スタート。このときから彼に暴力的な傾向があったという。

彼氏は彼女がバージンではなかったという理由から、彼女を軽蔑するようになり、WeChat(微信:wēi xìn)内で彼女の名前を「犬」とし、彼女のWeChatでは自分のことを「ご主人」と改名させた。

ある時は彼女に「私は〇〇の犬です。」(〇〇は彼氏の名前)というタトゥーを入れて、さらにタトゥーを入れる過程を録画するよう要求。

2019年2月9日、彼は彼女に罰として裸の写真を撮らせるよう要求。別れたらこれをネット上に晒すと脅す。
彼女は彼が結婚すると言っていたことを信じてこれを承諾。彼は彼女を洗脳していたとも言われている。

2019年6月11日、二人は大喧嘩をする。彼女は別れを切り出したが、彼は彼女のことを激しく罵り、自殺するよう言い寄った。その晩彼女はリストカットをするが、命に別状はなかった。しかし、彼の洗脳のせいか、これで二人が別れるということはなかった。この1ヶ月後二人は同居することになる。

度重なる言い争いを経て、彼はようやく別れに同意した。しかし、その交換条件が残酷なものだった。
・彼女は以後、他の男と付き合ってはならず、孤独死すること。
・彼との子供を妊娠して、それを堕胎すること。そしてその堕胎記録を保管しておくこと。

妊娠して堕胎することに彼女は反対したため、彼は他の条件を出した。
・避妊手術をして、手術記録を残すこと。さらに摘出した輸卵管を保管しておくこと。

2019年8月、彼女は実家に帰省。しかしWeChat内で彼に激しく罵られる。記録には40通の罵倒のメッセージがあったという。そしてそのときも自殺を促していた。

2019年10月9日、彼女はホテルの一室で服毒自殺を図る。病院に運ばれたときには脳死に陥っていた。

2020年4月11日、彼女の死亡が確認された。

PUAクラス

ネット上ではPUAクラスなどナンパや洗脳技術を学ぶサイトがあったりもします。
泡学网:pào xué wǎng”というサイトでは180万人の登録者がいました。
その中のレッスンは以下のような内容でした。

①1対1レッスン8回:15,000元(27円)
②複数講師による画像と音声のレッスン2年分:限定価格4999元(9万円)
③毎月1回のプライベートビデオ電話レッスン:1999元(3万6,000円)
①〜③セットの場合9800元(17万6,000円)

新京报:xīn jīng bàoという新聞社の記者が関係者に接近して得た情報では
“五步陷阱情感操控术:Wǔ bù xiànjǐng qínggǎn cāokòng shù”(5段階の感情操作トラップ)
というレッスンが有り、2000元(3万4,000円)のプライベートレッスンと3000元(5万1,000円)のオーダーメイド型レッスンがあるということが発覚しました。

この「レッスン生」たちは、相手としている女性を「獲物」や「ペット」と称して、グループチャット内で自身の経験を共有していたといいます。

さらに中国国内においてPUAを学んでいる人間は600万人以上にのぼるとされているのです。

あるサイトでは相手を自殺に追い込む方法なども書かれていました。相手の女性にお金を借りた場合、返さなくても良くなる方法が相手を自殺に追いやることだというのです。

こういったサイトは発見され次第、当局により封鎖されていますが、次々に新出しているようです。

未成年が性被害に遭うことの一つには性教育が徹底されていないと考え、学生たちに性教育を行う若者の話も以前紹介しましたね。ぜひあわせてご覧ください。
中国の性教育~「愛する」「愛される」がわかって人になる手助けをする若者たち

PUAのトラップ:5つのステップ

以下の5つがすべて使われた場合、いかなる人であってもその思想コントロールから逃れることはできないと清華大学の心理学教授は言います。

①情緒コントロール
②思想の植え付け
③公開侮辱
④自己卑下に陥れる
⑤殺しの脅迫

さらにPUA被害者保護グループの最高責任者である孔唯唯:kǒng wéi wéiはこう言います。

君は見た目は強そうだけど、でも内面はセンシティブで、もろいね。そして、〇〇にすごく興味を持っているんだね。 」というセリフは万能で、これを言えば相手に自分のことを理解していると錯覚させられるのです。

PUAは心理学の認知療法や催眠などから派生したもので、すでに方法論や専門用語、独自の価値観や技術論、さらには洗脳モデルなどが存在するまでに発展しているのです。

PUAは男女間だけでなく、職場でもあります。以下くわしく見てみましょう。

職場PUA

PUAは職場のパワハラという意味でも使われます。これを“职场PUA:zhí chǎng”と言います。

パワハラや侮辱、精神的攻撃により会社を辞めたり、うつ病にかかったり、場合によっては自殺に追い込まれる人もいます。

職場PUAもさまざまで、学歴や外見、さらには出身地を侮辱したりもします。
中国では出身地ごとのステレオタイプのような悪口があり、これを“地域黑:dì yù hēi”といいます。

ある入社間もない女性は退勤間近、上司から仕事を任されました。
「これ至急。明日の朝7時までに上部に出さなきゃいけないから、遅れずやってね。」

そして彼女は仕方なく会社に残り、夜中まで残業して仕上げました。
翌朝、上司にそれを渡すと、
「内容もまあまあね。特に急ぐわけじゃないからもう一回書き直して。」

すべては君のためだから

ある男性社員は上司が集まる席で公開侮辱されました。

「よくもこんなわけのわからないレポートが書けるな。お前にはメンツってものがないのか。俺がお前くらいの年齢で、こんなものしか書けないようだったら、迷いなく屋上から飛び降りてるね。」

他の上司は言います。

「ちょっと厳しいようだけど、すべては君のためなんだからさ。私たちがこのように上の立場でいられるのも、君くらいの年齢だったときに同じように厳格な上司がいたからだよ。」

実際、部下がやることはすべて否定されるのだと彼は言います。遅くまで残業しなければ給料に見合う仕事をしていないと言われ、夜中まで残業していれば電気の無駄遣いだと言われるのです。

そして、朝も昼もご飯がのどを通らなくなり、帰宅後家で食べる夕飯だけは食べられると言います。そして、不眠症になり眠れぬ夜がつづくのです。

―上司が言っていることは確かにそうなのかもしれない。使えないままこの歳まで生きてきて、罪悪感もなく社会の資源を浪費している…。俺はやっぱり本当に死ぬべきだ―

自分に限らずほかのすべての社員が会社はやめられないと感じているのです。ひとたび会社をやめるようなことがあれば、露頭に迷い、食べて行かれなくなる。他に自分を雇ってくれる会社なんてない。俺たちはゴミの塊で、しかもその中で腐卵臭を放ってる行き場のないゴミ…

このように考えてしまうひとつの理由は就職難が挙げられます。コロナ禍で海外に留学していた海外組が帰国するようになり、さらに熾烈な戦いになりました。
学歴社会の中国―高学歴でも就活難。新卒の求める給料も年々さがっている

さらには社交が苦手な若者も増えていて、人付き合いを好まない人も多いですから、余計にストレスがたまってしまうのかもしれません。
社交恐怖の若者たちが中国で急増中!半数以上がコミュ障?恋愛もできず「社会性死亡」に陥る人も

このような事情もあり、中国でも早期リタイア(FIRE)を自己救済の手段として目標に掲げる人も増えてきて、FIREの概念が広まりつつあります。
【中国式FIRE】中国移住で早期リタイアするにはいくら必要?具体例と金額大公開!

このように中国のビジネス雑誌を翻訳&要約して、現地の情報をおとどけしています。ぜひ引き続きチェックしてくださいね。
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