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スティーブ・ジョブズも大絶賛の心理テクニック!「フット・イン・ザ・ドア」とは?30日お試しセットの謎が解けます

こんにちは!ちゃいなサプリのYuki(@YukiHiroi)です。

中国ビジネス情報誌『销售与市场』第715期に紹介された記事から紹介します。

多くの創業者が抱える問題に「私たちの商品はすごくいいのに、なぜ売れない?」というものがあります。この問題を細かく分析して、解決に導くのがこの記事の役割です。
ではさっそく、くわしく見ていきましょう!

動画版もあわせてどうぞ↓

商品が売れない

あるお菓子類を販売する店の店主はこんな実験をしてみました。

自分たちの商品を一つの箱に入れて、もう一方にはライバル店の商品を入れます。商品名がわからないように、パッケージも剥がして、試食のスタイルで商品の中身だけを提供したのです。

するとどうでしょう?73%の消費者がライバル店の商品が好きだと答えたのです!
これには店主もがっかりです。

ライバル店の売上は早くも10億元(170億円)を超えたのに対し、
このお店は5000万元(8億5,000万円)しかありません。

理性と感性にうったえる!

私たちの脳には理性をつかさどり、利害を判断する理性脳大脳新皮質)と感情をつかさどり、好き嫌いを決定する感情脳大脳辺縁系)が存在します。

良い商品であることを理性脳にうったえかけようとするお店は多いですが、それだけではまったく足りないのです。消費者がそれを買うまでに至るには感情脳の指示が必要なのです。

消費者が商品を買うことをゾウとその騎手に例えてみましょう。

理性脳が騎手で、方向を決定します。そして、感情脳はゾウで前進する役割をはたします。
ゾウが動かなければ騎手は為す術もないのです。
つまり、感情脳が動かなければ理性脳ががんばっても意味はないのです。

いい商品が売れないときにはゾウを変えなければならないのです。
すなわち、消費者のその商品に対する感情を変えていく必要があるということです。

スティーブ・ジョブズが絶賛したマーケティング

あのスティーブ・ジョブズが絶賛したと言われるマーケティングをご紹介します。
アメリカのミルクの会社で、これは“got milk”マーケティングと呼ばれています。

1980年代はアメリカで炭酸飲料がブームになっており、ミルクの売上が大幅に下がりました。若者たちはミルクを飲むことはクールじゃないとして、買わなくなったのです。

そして、CMやポスターにスターや有名司会者、サッカー選手やアニメのキャラクターなどを次々と起用していきました。牛乳ひげが特徴です。

例えば、ジャッキー・チェンチャン・ツィイー

アンジェリーナ・ジョリーレオナルドディカプリオ

日本人ではマシ・オカも出ています。

さらにサッカー選手のデビット・ベッカム

そのほかマリオピカチュウも出演しています。

マリオやピカチュウも起用されていますね。今では2次元のキャラクターたちがイメージキャラクターをやった方がリスクが少ないと注目されています。消費者に与える影響力も2次元のキャラクターの方がリアルな人間よりも大きいという統計も出ています。
バーチャルアイドルの時代到来!世界で2次元~2.5次元のバーチャルヒューマンたちがインフルエンサーとして活躍している!

これで消費者たちのミルクに対する感情も変わり、再びミルクが売上のトップを占めるようになったのです。

そしてマーケティング史上一番有名な広告と言われるようになりました。この牛乳ひげも代表的なシンボルと化したのです。

テレビCMを見てみたい方は↓から見られます。

消費者の商品への感情を変化させる方法

では、具体的にどのような方法で消費者がその商品にもつ感情を変化させれば良いのでしょうか?
これには大きく3つの方法があると言います。

それは
1・消費者の周囲の環境を変える
2・消費者がその商品を使うシチュエーションを作り出す
3・消費者がその商品を使うハードルを下げる

では一つ一つくわしく見ていきましょう。

1・消費者の周囲の環境を変える

先ほどのミルクの広告を例にとってみましょう。

広告を見た人がミルクに対するイメージが変われば、周囲の人にも影響するのです。
みんながこうしているのだから、私もこうしよう。」という心理が働くのです。

周りに合わせるために自分を変えようとする群集心理があるわけですね。

群集心理はマーケティングでも使われていましたね。くわしくは↓
中国タピオカ店が暴露した「SNSのバズらせ方」!ポイントはパクリ?UGC・PGCって知っていますか?

周りの環境や人の行動は大きく影響するもので、有名な実験に「アッシュの同調実験」というものがあります。

これはどんな実験なのでしょうか?

アッシュの同調実験

一番左の棒線と同じ長さのものはA〜Cのどれでしょう?
簡単ですよね?もちろんCですよね!

しかし、この実験はモニタリングのようなもので、8人が参加して同じテーブルに座るのです。そのうち7人が仕掛け人。
仕掛け人がみな間違えた答えを選ぶと、ターゲットも間違えた答えを選ぶようになるのです。

くわしく結果をみてみましょう。

アッシュの同調実験の結果は以下のとおりである。サクラ全員が正解を答えると、被験者も堂々と正解の選択肢を選んだ。しかし、サクラが不正解を答えると、被験者も不正解の選択肢を選ぶ傾向が確認された。実験の結果、全ての質問に正解を答えつづけた被験者は全体のおよそ25%で、残りの75%は不正解のサクラに一度でも同調してしまった。被験者がサクラに同調して不正解の選択肢を選ぶ確率は、約3分の1であったという。

https://studyhacker.net/vocabulary/asch-conformity-experiments

居酒屋でとりあえずビールなどというのもこのような同調心理が働いている場合が多いようです。このように、いい意味でも悪い意味でも人はグループになると、単独では選択しないようなことを選択してしまうものなのです。

よって、直接消費者を変えることができないならば、消費者の周りの環境を変えればよいのです。
では、具体的にどのようにすればいいのでしょうか?

それには下の2つのポイントを押さえればいいのです。

①目標とする消費者はどのような環境にいるのか?
②その中で誰が消費者
に対して大きな影響力を持つのか?

例えば、タピオカ店を例に見てみましょう。

まずターゲット消費者は主に買い物中の若者ですね。
周りの環境は、多くの消費者がいるということです。これが①にあたる答えです。

ではどのような人が影響力を持つのでしょうか?
これは周りにいる同じ消費者たちです。これが②の答えですね。

さて、これで周りの消費者たちを動かせばよいということがわかります。

その方法はこうです。タピオカは事前に作っておいて、お客さんに渡していけば効率がいいわけですが、そうはしていませんね。あえて、その場で作ります。
これで、できたて感があるのと行列ができるという効果があります。

この行列こそが、周りの他の消費者に影響するのです。生きた広告というわけです。
多くの人が並んでいれば、それだけおいしいんだと思わせることができるのです。
これは消費者の行動心理学を駆使した方法です。
くわしくは↓
行動心理学で売上UP!納期を「わざと」遅らすプログラマー&行列を意図的に作るタピオカ店

2・消費者がその商品を使うシチュエーションを作り出す

中国で一番よく使われているアプリは WeChat(微信:wēi xìn)ですね。これさえあれば、同僚間でのやりとりにも便利ですし、ミーティングもできます。電話はもちろんテレビ電話も数人でできますし、お金のやり取りでもなんでもできるわけです。

よって、事務系アプリが登場したときも誰も使おうとはしなかったのです。

しかし、コロナ禍で多くの人がリモートになってからは事情が変わりました。WeChatのビデオ電話は15人以上は参加できないようになっていたのです。さらに、資料やシステムの送信などにも大きな制限があったということにみな気がついたのです。

そこで事務系アプリが注目されたのです。ちょうど必要とされるシチュエーションができたというわけですね。

多くの企業がそのアプリを使い出しました。そして数ヶ月が経って、リモートが解除されたにも関わらずそのアプリは使われ続けました。すでに習慣化していたため、誰も他のアプリに乗り換えようとはしなかったのです。

「30日間のお試しセット」の秘密

このアプリのように、ずっと使っていればそれが習慣になって、それ以降も使ってもらえるのです。繰り返し行われた行為はそれが習慣化して、継続して行われるのです。

そして習慣化するまでには3つの段階があると言われています。

第1段階:その行為に従順になる。

第2段階:その行為を承認する。

第3段階:その行為が当たり前になる。

完全に習慣化する第3段階に至るまで、この行為を少なくとも21日間は繰り返す必要があるといいます。

30日間のお試しセットなどというサービスも消費者の習慣化をねらったものなのです。

化粧品などはこのお試しセット戦略で売上を伸ばしています。無料で提供することで、消費者がその商品を使用する機会が増えるということなのです。それが習慣化すれば、消費者はその商品がなくてはならなくなるのです。
中国コスメブランドについては、こちらの記事がくわしいので、ぜひ参照にしてみてくださいね!日本でもエキゾチックなカラーがあると人気が出て、プレゼントに選ばれたりもしています。これを機会に試してみては?
SNSマーケティングで大ヒット!中国のコスメブランド(花西子・完美日記・自然堂)が熱い

習慣が変われば人生が変わると言いますが、モチベーションなんて存在しないという研究もありますね。すべては習慣にしてこそ続けられるのだそうです。考えてみれば歯磨きも「よし!歯磨くぞ!」とモチベーションに動かされているわけではないですよね。

商品の使用が習慣になれば、購入されることは間違いないでしょう。

お試しセットを提供できない高級マットレスのブランドは、このような作戦をとりました。それは、5つ星ホテルとのコラボで、宿泊客の方たちが寝るベッドに自身のブランドのマットレスを使用したのです。

これで中国国内での売上はTOP3にまでいきました。
このように消費者がその商品をしようする状況を作り出すことがなによりも重要なのです。

同じようにホテルとコラボすることで売上を伸ばしたアダルトグッズの会社もありましたね。
中国の「大人のおもちゃ」市場が急成長中!アダルトグッズから学ぶ中国式マーケティング

3・消費者がその商品を使うハードルを下げる

相手にYesと言ってもらうためにはどのようにしたら良いのでしょうか?

小さな要求に答えたあと、大きな要求も受け入れやすくなる」という経験はありませんか?
これはフット・イン・ザ・ドアというビジネス界で頻繁に使われる心理テクニックなのです。

社会学者のスコット・フレイザーと人類学者のジョナサン・フリードマンが行った実験はこうです。

一戸建ての住宅に訪問して、「安全運転をしましょう!」という看板を立てさせてもらえるようお願いします。
そして、そのやり方をA〜Cの3パターン用意します。

グループA いきなり看板の設置を依頼する。

グループB 「カリフォルニア州を美しく保つ」という嘆願書に署名してもらう→2週間後に看板の設置を依頼する。

グループC 「安全運転するドライバーになろう」という小さなシールを玄関先に貼らせてもらう→2週間後に看板の設置を依頼する。

https://sumaiweb.jp/articles/106467

さて結果はどうなったのでしょうか?

グループA〜Cにおいて、設置を承諾してくれた確率は以下のようになりました。

  • グループA:17%
  • グループB:50%
  • グループC:76%

このように小さなYesが続くと、その後もYesと答えるハードルが下がるのです。

売上を伸ばすために以下の2つの点を常に考える必要があります。

1・消費者が購入するにあたってのハードルはなにか?
2・そのハードルはどのように下げることができるか?

ポイントスタンプのテクニック

あるマニキュア店では、毎回スタンプを押してくれます。

A店は8 個のスタンプで1回無料
B店は10個のスタンプで1回無料

ではどちらが無料チケットをより多くもらったでしょう?

A店→13%
B店→37% の顧客が無料チケットをゲットしました。

予想とちがっていましたか?

からくりはどこにあるのでしょう?

A店は☆☆☆☆☆☆☆☆
B店は★★☆☆☆☆☆☆☆☆ としたのです。

これはB店は10個のスタンプが必要ですが、あらかじめ2個のスタンプを押していたのです。
A店もB店も同じく8個のスタンプが必要なわけですが、B店の方は10個のうちの8個ということで、残りの80%を完成させればよいという点でハードルが下がったわけです。

このように、心理テクニックを利用して売上を上げる方法はビジネス界ではよく使われます。
マクドナルドのデザインも心理テクニックを使ったものでしたね。
マクドナルドのデザインの秘密!マックパイはどうして穴が4つあるの?パッケージが消費行動を変える!

スキーマと呼ばれる固定概念を利用する方法もありました。例えば、「氷についている細菌の量は実は多いんです。」と言ってもピンときませんよね。ではこれはどうでしょう?「氷は便器より汚い。」
このような「便器=汚い」という周知の事実(スキーマ)を使えば最強のセールスコピーライティングができると紹介されていました。
最強のセールスコピーライティングは「スキーマ」をあやつれ!営業部門は必須の知識

売上を伸ばすためには、心理学の知識が必須になるわけです。心理を熟知していれば、思いもよらなかったアイデアが浮かび、大きな成功をつかむことができるのです。
以下、2冊のおすすめ書籍を載せておきます。これでさらなるスキルアップを目指してみてくださいね!
脳科学マーケティング100の心理技術―顧客の購買欲求を生み出す脳と心の科学
すぐ試したくなる! 実戦心理学大全 (できる大人の大全シリーズ)

最後までご覧くださりありがとうございました!
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