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カルチャーハック

中国の塾規制で倒産する予備校も続出!教師やスタッフの給料滞納や学費返金されないなどの問題も

こんにちは!ちゃいなサプリのYukiです。

中国ビジネス情報誌『新周刊』第595期に紹介された記事から紹介します。

中国では教育業界にも当局のメスが入り、学習塾は非営利にさせられ、多くの制限が入り、たくさんの学習塾が倒産に追い込まれました。

動画での解説はこちら↓

これは「三人っ子政策」にともなって出産するハードルを下げることが目的であるとも言われています。

当局による教育業界へのメス

中国のある幼稚園の緊急告知によると政府の新政策を受け国語数学英語の特別補習クラスをキャンセルすると。
親からは『補習しないで小学校行ってうちの子がついていけなかったらどうするのよ』とクレームの相次いでいるとのこと。

統計をみるとこんな感じです。

TikTokの会社字节跳动:zì jiē tiào dòng で 2020年に広告収入をもたらした業界TOP3

1位:Eコマース(電子商取引)
2位:ゲーム関連
3位:教育 合計100億元(1,700億円)だったそうです。

しかし、先日教育業界でビジネスとして投資を募ったりするのが禁止されました。
それにより教育関連株価も暴落。


さらに上海の小学校では英語の授業が禁止になりました。

これらに反した場合は罰則もあります。


そして、中国全国で「習近平思想」と「社会主義概念」という科目が必修科目に組み込まれました。

それを受けてネット上ではアリババの創設者ジャック・マーが以前講義で英語の重要性について語った動画が拡散されました。彼はもともと大学で英語専攻で、アリババ創業前は大学の英語講師でした。

内容はこんな感じです。

 僕みたいな人は勉強したのが英語じゃなかったら、学校が教える『正しい答え』や両親が教える『正しい答え』しか知らなかっただろう。英語がわかるようになってから、彼らの言うことが必ずしも正しいことではないとわかった。私たちはこのような問題を自分の頭で考える必要があるのです。
 1985年に夏休みを利用して初めてオーストラリアに行ったことを覚えています。海外に出るまでは中国が世界で一番豊かな国だと思っていました。子供の頃から中国が世界人類を『解放』すると教えられてきましたからね。
 そしてオーストラリアに着いて『外国がまず中国を解放してくれることが先決じゃないか。』と気がついたのです。

ジャック・マー

さてジャック・マーは今どこへ行ってしまったのでしょうか。

大手英語予備校が倒産

2021年8月12日、中国の大手英語専門予備校であった“华尔街英语:huá ěr jiē yīng yǔ”(Wall Street English)が破産宣告をしました。

中国で塾規制

この知らせを聞いた職員や親たちがかけつけましたがその時はすでに中国各地の校舎は閉鎖されていたのです。

中国で塾規制

職員は3ヶ月給料を支払われていない。
1万元(17万円)以上の学費を何度も払わされたのに返金してもらえない。」などの声が数多く上がりました。

ほとんどがローンを組んで払っていて、中には80万元(1,430万円)を一括で払ったという人さえいます。

英語に託した夢

一般のサラリーマンや専業主婦、さらに退職したお年寄りや大学生がそれぞれ自分の理想の生活を手に入れるために勉強していました。仕事や生活、さらには恋愛や結婚に至るまでさまざまな動機があったのです。

このような「自己投資して自分をレベルUPさせる」という期待のもと支払われた数万元の学費は水の泡になってしまったのです。

サラリーマンは収入UPを、お年寄りは海外旅行をして過ごす晩年の生活をそれぞれ思い描いて英語を勉強しているといいます。

北京のある校舎では英語を勉強して旦那さんとともに世界一周の旅に出たおばあさんのことが語り継がれているのです。

校舎内恋愛?

営業マンはスーツを着てきちんとした身なりですが、すこし悪質な営業をすることもあるようです。

いい結果を残した学生たちの「噂話」や多くの有名人もここで勉強しているなどの営業の決り文句の他に、若い女性には「ここで英語を勉強しながら玉の輿に乗ることもできる。」と暗にほのめかしたりするようです。

ある女子学生は言います。
はっきりはわからないけど、ローンを組んでまで勉強しようとするくらいなんだから、たぶんこういった勉強以外の理由もあるはずよ。中の人達は一生懸命勉強しているけど、同じように多くの人が英語以外のことにも期待を抱いているの。

塾生同士で仲良くなったり、WeChat(微信:wēi xìn)でグループを作って一緒に勉強したりと新しいコミュニティーが生まれることもあります。

そうすると、自分の契約期間が終わってしまうのが寂しくなり、それを知っている顧問スタッフは継続を促すわけです。

友達と別れるのは寂しい、新しくできた自分の居場所を離れるのは嫌だ、好きな人ができた…などの理由で契約を継続し、学費を納める人も少なくないといいます。

破産を知って…

コロナ禍が始まって、スタッフの流動が激しくなったり、顧問や外国人教師の入れ替わりも頻繁になってきました。

ある女性はウェイボー(微博:wēi bó)で塾が倒産することを見て、すぐにWeChat(微信:wēi xìn)のグループで他の学員たちに連絡しましたが、最初は誰もそれを信じませんでした。

しかし、それが事実であると知ると、みな怒りが燃え上がり、自分の残りの学費を計算して、スタッフに連絡しました。

すると顧問もスタッフも自分たちの給料も数ヶ月分滞納されているというのです。そして彼女は自分の学費は八割方返金されることはないだろうと悟ったのです。

8月20日に塾の経営幹部が話した内容の録音がネット上で暴露されました。これによると、返金していない学費は12億元(215億円)以上になるとのことです。

そして、彼はこれを持ってイギリスに逃亡したとも言われています…。

学員たちの声

学員たちは自分の英語のレベルがUPしたという感覚はほとんどの人が持っているようです。授業のカリキュラムにも満足していた人が多かったといいます。

しかし、学費が高すぎるというのは多くの学員が抱いていた不満です。さらに、営業のやり方。
ある女性はデパートで営業マンに騙されたといいます。

その月の彼女の営業業績が悪いから助けて欲しいと言いより、2万元(34万円)のローンを組ませました。

約束では授業内容が気に入らないという理由で返金申請できるということでしたが、次の日に学校に行ってみると、いろいろ理由をつけられて返金はできませんでした。

返金を希望する人たちのWeChat(微信:wēi xìn)のグループに入ってみると、同じような経験をした人がたくさんいました。

ローンを組ませるというのもやり口の一つで、お金を払いながら授業をすればモチベーションも保てるという文句で、学員の半分以上がローンを組んでいました。

ある女性の学員は、もうこういった英語教室には入らないと誓いました。勉強の方法がわかったから、あとは独学で今のレベルを維持するといいます。

もう事前消費はしない

ある学員は3回同じような経験をしたといいます。1回目は自分のマンションの下にあった小さなスーパーの会員になってカードにチャージしましたが、次の週には閉店していました。

2回目は通っていたジムが倒産し、VIPコーチの費用2万元(34万円)は返金されませんでした。そして、3回目が今回の件です。

彼女は「事前にお金を払うのはリスクが大きすぎる」ということを悟ったのです。

3人っ子政策の一貫として

中国は5カ年計画の中で人口減少の問題を重要視していると発表しました。人口減少は経済発展に大きなダメージを与えますから、国としても対策を講じたいのです。
これからの中国経済と金融の発展の10トレンド!「十四五計画」とは?中国経済の「今」を読み解く!

そして2021年5月31日に子供を3人まで生んでも良いという「三人っ子政策」が実施されました。
ちなみに中国語名は三孩政策(sān hái zhèng cè )
しかし、子供を3人も生むという人は少なく、大きなハードルとなっていたのが不動産価格と教育費の問題でした。それで今回の教育業界へのメス入りに伴って、不動産業界へのメス入りも行われました。
【中国バブル崩壊?】不動産価格が暴落中!それを裏付ける5つの理由が中国情報誌で紹介されました
さらに教科書代も低く管理されるようになりました。

現在中国の独身人口は3億人以上と言われ、日本の全人口の2倍以上なのです。

さらにはゲーム業界にも規制が入りました。未成年がゲームをプレイしていい時間が祝日と土日の午後8時〜9時の1時間と制限されました。

この教育業界へのメス入れで解雇されていく教師はどうなってしまうのでしょうか?外国人教師も数多く在籍していますが…

また10月20日に袁辅导:yuán fǔ dǎoという塾はダウンジャケットの販売事業を開始すると発表しました。教育機関はこれから方向転換をせまられるのかもしれません。

大手予備校で働いていた新人教師が失業した話も紹介されていたので、音声で要約していますので、こちらもぜひ聞いてみてくださいね!

今後どうなるか随時新しい情報を発信していきますので引き続きよろしくお願いします!

★中国語勉強中の方へ

ちゃいなサプリ」のYouTubeでも中国語文法を1から解説しています。

無料で中国語がマスターできます!

以上です。ありがとうございました。

★本サイトで使用しているVPN

★使用しているVPNはこれです。(中国では海外のサイトにアクセスするときにVPNというものが必要です。本記事も中国から執筆しています。)

               

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