こんにちは!ちゃいなサプリのYukiです。
中国ビジネス情報誌『商界』第687期に紹介された記事から紹介します。
マーケティングはビジネスにとって大きなウェイトを占めますよね。本を読んで勉強している人も多いでしょう。
今回はそんな意識高い系ビジネスパーソン向けに、中国のビジネス誌に紹介された中国式マーケティングをご紹介します。
動画版はこちら↓↓
ターゲットはZ世代
中国ビジネスのキーワードは何でしたっけ?覚えていますか?
―「若者」でしたね。
なんのことだかわからない人は先にこの記事を読みましょう。このキーワードは中国ビジネスを理解する上で不可欠です!
>>中国のイマドキの若者「横たわり族」?「無一代」?これからの取引相手はこの世代!
中国マーケティングで重要なのは、Z世代(1990年中盤以降に生まれた若者世代)をひきつけること。これは今や鉄則です。
では、具体的な方法を見ていきましよう。
ボスの領域に安易に踏み込まない
中国では自国のブランドを「国货:guó huò」と呼びます。
〈买国货:mǎi guó huò(買う)用国货:yòng guó huò(使う)晒国货:shài guó huò(さらす)〉
を選択する若者が増えてきていると言います。
そして同時に、これが新消費時代の新たな特徴のひとつになりつつあるのです。
次々に新しいブランドが誕生しているのですが、マーケティングの観点から見てその戦略が異なるようです。
「先輩ブランドとターゲットがかぶらないようにする」ことで、勝ち目のない競争を避けると言います。
たとえば、元気森林というドリンク会社は無糖ドリンクを販売してトップに踊り出たわけですが、先輩ブランドも数多いわけです。
そして、ターゲットをずらす作戦として、無糖であるが「甘い」という新しい商品を生み出しました。
このときに使ったのは自然由来の甘味料エリスリトール。
無糖飲料は甘くないのが一般的ですが、ここを逆に「無糖だけど甘い」とすることで、ねらうターゲットをずらしたのです。
>>中国のトップブランド!新感覚の炭酸飲料『元気森林』コーラよりおいしいと評判!
ちなみにこの無糖だけど甘い飲料水は日本でも買えますので、この機会にぜひ試してみてくださいね。
中国発KOLマーケティングとは?
KOLとは?
https://www.digima-japan.com/knowhow/china/17544.php
KOL(Key Opinion Leader)は、もともとは医療業界において、製薬企業の販売促進などに影響力を持つ医師などの専門家を指す言葉でしたが、21世紀の中国マーケットおける「KOL」と呼ばれる人々は、自身のブログやSNSで多数のフォロワーを擁し、自身が推薦する(あるいはPRを担った)商品やブランドやサービスなどの情報を発信しています。
こう聞くとインフルエンサー(ネット上で影響力のある人)を思い浮かべる人も多いと思いますが、KOLは一般的なインフルエンサーよりも専門性があって、紹介している商品分野に関する知識も豊富だといいます。
中国の百度百科を見てみると
拥有更多、更准确的产品信息,且为相关群体所接受或信任,并对该群体的购买行为有较大影响力的人。
https://baike.baidu.com/item/关键意见领袖/1404674?fromtitle=KOL&fromid=9827493&fr=aladdin
(より多くの、そしてより正確な商品情報を有していて、消費者グループからの認知と信頼があり、さらに消費行動にも大きな影響力をもつ人物のこと。)
こう説明されています。いわば、マーケティング上不可欠な存在のようですね。
ちなみにKOLは中国語で关键意见领袖:guān jiàn yì jiàn lǐng xiùと言います。
“中央电视台”から“两微一抖一手一书”?
今までの発信媒体は“中央电视台:zhōng yāng diàn shì tái”いわゆるCCTVでのテレビ放送でした。
それが今の主流は“两微一抖一手一书”に変わったのです。
なんだかわかりますか?
两微→微信: wēi xìn(WeChat) 微博:wēi bó(ウェイボー)
一抖→抖音:dǒu yīn(中国版TikTok)
一手→快手:kuài shǒu(TikTokの弟みたいなもの)
一书→小红书:xiǎo hóng shū(インスタ+Amazonみたいな感じ。女性ユーザーが多い)
これらSNSが今の主流になっています。
もちろんターゲットは若者ですから、それも理にかなっていますよね。
詳しくは:【中国のWebマーケティング】中国ビジネスでマーケティングに使われるSNSは〇〇!”两微一抖一手一书”(全部で5個あります。)以下、くわしく解説
スター起用?
新しいブランドたちのもう一つの作戦は、
まず「大ヒット商品」を出して、そこでブランドイメージを上げて、同時に知名度も高める。その後、他の商品も売っていく。というものです。
では、このためには認知される必要がありますね。そこでもともと知名度が高いスターたちを起用するのです。
たとえば、誰もが知っているジャッキーチェンをイメージキャラクターに起用すれば、町中で目につくし、CMや広告も記憶に残りやすいですよね。
やはり国際的大スターだけ会って、多くの会社が彼を起用したいのですね。
ちなみに、中国ではジャッキーチェンがイメージキャラクターになった会社は次々に倒産するなどといううわさ?も存在します。
このように有名人を起用するというのは海外でもよく使われるマーケティング方法です。
アメリカのミクルのCMもジャッキー・チェンなどを起用して、その方法は“got milk”マーケティングと呼ばれスティーブ・ジョブズも絶賛したとされています。
>>スティーブ・ジョブズも大絶賛の心理テクニック!「フット・イン・ザ・ドア」とは?30日お試しセットの謎が解けます
ほかには有名なライバー(ネットでライブ配信をする人)に宣伝してもらうこともあります。
商品を宣伝するのが専門のライバーも多く、商品に対する理解も深いことからこちらはKOLであると言えるでしょう。
2020年からライバーやKOL・KOCは中国では新たな職業となっていて、この業界になんらかの形で関係ある人の規模は8億人にのぼり、毎月8.8%の割合で成長もしています。
ライブで化粧品の実演したり、食べ物の実食をしたりと、中国ではかなりの人気があります。偽物が今だにあるため、ライバーが紹介したものなら本物だろうという信用の部分も大きいでしょう。
コスメ界で男性ライバーを起用してマーケティングに勝った花西子というブランドもあります。
>>SNSマーケティングで大ヒット!中国のコスメブランド(花西子・完美日記・自然堂)
日本でもインフルエンサーを用意してマーケティングをしてくれるサービスもあります。この方法ではより多くの人にリーチできるというわけですね。
これこそが中国で頻繁に使われるKOLマーケティングなのです。ぜひチェックしてみてください。
そのカテゴリーの代名詞に
1つの商品が注目を集めただけでは、それはただそのブランドの出発に過ぎないと言います。的を得た有効的なマーケティングを行わないことには、消費者の心に入り込むことはできないのです。
よって、ブランドは販売経路を確保し、商品力をつけること以外に、有効なマーケティングを通して、商品の核心的価値を上手に消費者の心に響かせてその心に入り込むよう努力する必要があります。
選んだジャンルのトップになることができれば、ブランドの知名度をあげることも可能なのです。
そして、そうなるためには老舗ブランドであれ、新参ブランドであれ、マーケティングのチカラに頼らざるを得ないのです。
マーケティングの目的
マーケティングの最終的な目標は、そのジャンルにおいて商品がアイコンになること。すなわち、そのジャンルの中の代名詞になることなのです。
そうすることで、そのジャンルについて聞けば消費者はすぐにブランドと結びつけてくれるからです。
激しい市場競争の中で、生産規模や技術力、商品のセールスポイントやパッケージ、材料や理念、技工以上に消費者の心に如何にインパクトを与え、その資産価値に気づいてもらうかが重要なことも有るのです。
コトラーのSTP理論
さらに筆者はコトラーのSTP理論というマーケティング手法を挙げています。
STP分析とは、Segmentation(市場細分化)、Targeting(ターゲット層の抽出)、Positioning(ポジショニング)の3つの頭文字をとった分析手法のことです。
https://colleagues.co.jp/sales-lab/stp-analysis/
ターゲットの絞り込みと自社のポジショニングの設定をし、どの市場で、どのような価値を提供していくか決めます。
時代の移り変わりとともに、マーケティング手法も変化してきていると言います。
従来のマーケティング
従来のやり方はテレビや紙媒体、戸外広告などを大量にうち、できるだけ人の目に入るようにしていました。
販売経路も多く確保し、できるだけ多くの人の目に、何度も入るようにして印象づけることが目的弟子た。
これらのやり方は今でも、コカ・コーラ社やペプシコーラ社さらには中国のいくつかの乳製品の会社がやっていて効果を挙げていると筆者は言っています。
すべてのマーケティング学習者必読書と言われるコトラー本はこちら↓
新時代のマーケティング
中国で新たに誕生しているブランドが実行しているマーケティングはSNSに頼るというもの。
話題性や希少性を強調し、KOL(インフルエンサーみたいな存在)を使って知名度を上げる。最近ではKOC(Key Opinion Consumer)と呼ばれる、KOLのように有名な存在ではなく、知名度の低い人を起用する会社も増えています。
KOCはより消費者に近く、消費者目線であるということから信頼を集めています。
さらにそれを消費者が自分のSNSで友達に広げればより多くの人にリーチできるというわけです。
コトラー本もSNS時代に合わせてグレードUPしたようです↓↓
新ブランドはターゲットもより細かくより具体的にしぼっていて、小規模のターゲットがより好むように努力していると言います。
そうすることでリピーターを増やすことに成功しているのです。
このようなSNSをフル活用したマーケティングは日本の企業も大いに参考にしたいものですね。
SNSについては詳しくまとめた記事があるので、そちらもご参照ください。
>>中国でよく使われるSNSは”两微一抖一手一书”(全部で5個あります。)
さらにバーチャルなキャラクターがイメージキャラクターになったり、CMや広告に起用されるというトレンドができつつあります。
バーチャルインフルエンサーであれば、スキャンダルを起こすことも無いですし、労働法のしばりもないですから企業側にとってはメリットだらけなのですね。
さらに消費者に与える影響もリアルな人間の3倍以上だという研究結果も出ています。
>>バーチャルアイドルの時代到来!世界で2次元〜2.5次元のバーチャルヒューマンたちがインフルエンサーとして活躍している!
さらに中国のマーケティングを勉強したい方にはこちらの本がおすすめ!
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最後までご覧くださりありがとうございました!
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